【ブース席のある広めのバーで口説く】
「とりあえず生で」
「私、ピーチサワー下さーい!」
ガールズバーからすぐ近くのバーで乾杯し直す。
目的は、もちろん彼女を風俗の業界に引っ張ることだ。
「サエコちゃん、単刀直入に言います」
「ん、告白ですか?」
「違うよ(笑)。風俗のお仕事に興味ない?」
「えっ、風俗ですか!?」
目を見開いて驚いた様子を見せるサエコ。
私は一口ビールを飲んで、話を続けた。
「サエコちゃんなら、1日10万円近く稼ぐのだって無理じゃないと思うよ。それだけ魅力的だ」
「うーん。でも私って、そんなに体に自信ないですよ」
(この反応なら押せばイケる!!)
そう確信し、さらに押しまくる。
「体がどうこうというより、俺はサエコちゃんの人柄に惹かれて勧誘してるんだよね」
「人柄ですか?」
「うん。人を笑顔にしてくれるというか、癒してくれるような雰囲気にビビッときたんだよ」
「そう言ってくれると嬉しいなぁ。男性経験はそんなにないんですけど、大丈夫ですか?」
「もちろん! お仕事に関してはキチンと講習もするから問題ないよ」
サラッと講習があることも言葉の中に入れてみる。
「…わかりました! 私やってみたいです!」
「本当!? ありがとう!」
「あっ、ちなみに講習ってどんなことするんですか?」
あちゃ~。やっぱ、そこ気になっちゃいますよね。
まぁ、最悪嫌がられたら、特別に免除ってことにしようかな。
「お客さんにするサービスを一通りだね。シャワーとかキスとかフェラとか」
「それって、店長さんとするんですよね?」
「うん、俺とになるね。もし嫌だったら…」
「じゃあOKです! 他の知らない人としなきゃいけないとかだと、ちょっと迷いましたけど」
そんなパターンもあるのか!
なんだか指名されたような気分になって、心の中でガッツポーズする。
こうして、後日、面接と講習をすることになった。