主演女優の単独インタビューということで、心配して同席していた岩崎友彦監督にも話を聞いた。岩崎監督は1991年にオンエアされた深夜番組『三宅裕司のえびぞり巨匠天国』(TBS系)の名物監督として話題を呼び、その後もインディーズ映画界で活動を続けてきた。
岩崎監督「手錠で繋がった2人が協力して戦うという映画はありましたが、体が結合したままでのアクション映画は世界初ではないでしょうか(笑)。
企画を思いついたのは、ずいぶん昔です。アイデアはあったものの、それを演じてくれる俳優が見つからなかった。そんな中でアレンさんと知り合い、交際しているマイケルも紹介されたのですが、そのとき僕が思ったのは『まるで古代ギリシアの彫像のように端正な顔だな』と。彼なら『クライングフリーマン』(※)のようなハードボイルな作品として撮れると思ったんです(笑)。アレンさんとマイケルのカップルがいてこその、映画でしたね」
※原作:小池一夫/作画:池上遼一による日本の漫画。
笑撃のラストシーンが待っている『クライングフリーセックス』だが、岩崎監督の頭の中ではすでに長編化の構想も膨らんでいるらしい。
岩崎監督「トークネタだと思って、みなさん笑いますが、僕の中ではすでに大まかな長編化の構想はできています。今回の劇場公開での反響次第でしょうね。長編化といっても、『クライングフリーセックス』の15分間に凝縮された面白さはそこなわないような構成を考えています。もちろんアレン&マイケルにも出演してもらい、さらに過酷で恥ずかしいミッションに挑んでもらうことになると思います(笑)」
劇中でラブラブぶりを見せているアレン&マイケルのお2人は、撮影終了後に晴れて入籍を済ませたそうだ。
合アレン「ロスで暮らしているマイケルの家族にも『フライングフリーセックス』は観てもらっています。マイケルの家族もノリがよくて楽しんでくれたのですが、マイケルのお父さんだけは『息子の嫁の裸を見るわけにはいかない』と拒んでいます(笑)。
新宿のケイズシネマは『カメラを止めるな!』をはじめ、とても個性的な作品をラインナップしていることから、ダメもとで私から売り込みました。15分の短編映画ですが、単独作品としてプログラムを組んでもらえ、うれしかったですね。夕方18時の上映だけでなく、ランチタイムにも楽しんでもらえる1日2回の上映となっているので、昼休みを利用して気軽にご覧になってください。すっきりした気分で、午後からの仕事に取り組めると思います(笑)」
社会現象にもなっている『カメラを止めるな!』に続いて、『クライングフリーセックス』もミラクルヒットとなるのか。インディーズ映画ならではの奇想ぶりとアレン&マイケルの「あうん」の呼吸の名演技に注目したい。
(取材・文=長野辰次)
『クライングフリーセックス』
監督・脚本・編集/岩崎友彦
撮影監督/野火明
アクション監督/熊王涼
VFX/内田剛史
音楽/hoto-D
出演/合アレン、マイケル・ファンコニ、高木公佑、鈴木佳恵、ブエノ、木村圭介、真砂豪、ぬら田CAGE
配給/Allen Ai Film
9月8日(土)〜14日(金)
新宿ケイズシネマにて、昼12:20〜、夕方18:00〜1日2回上映
料金500円
(C)BOX TURTLE BOX