毎年、夏が来ると思い出すことがあります。それは、もう10年以上前のことになりますが、ロシアで会った女のコと、あるところで偶然再会したことです。
その年の8月、筆者が向かったのは、ロシア極東の港町・ウラジオストックでした。
当時、日本からの定期便はアエロフロートしか就航しておらず、それも新潟発着便のみで、土曜日発、火曜日戻り、というような、半強制的に3泊4日しなくてはならないような日程でした。
あちらでは、昼間は観光名所を巡り、夜はストリップバーやガイドが紹介してくれた素人娘、本番サウナなど、風俗を探すという、毎度お決まりの忙しい取材をこなしていました。
ある夜、ストリップバーを取材してホテルに帰ると、ロビーのソファーに数人の女のコが座っているのに気づきました。筆者が近づくと、チラチラと視線を送ってきます。
「あっ、こりゃその手の女のコだ」
と、もうひとネタできたと喜んでいた時、交渉役であろう、若かりし頃のロバート・デ・ニーロ風の男が現れたのでした。
デ・ニーロが言うには、
「他にも女はいるから、ここで選んで部屋へ連れて行け」
というようなことです。でも、いくらなんでも、高級ホテルのロビーで売春婦の品定めというのは、日本男児にとっては恥ずかしい行為。
なので、自分の部屋番号を教えて、そこで顔見せしてもらうようにお願いしたのでした。