【体を張った保険勧誘】
「すごい偶然だよね、まさか俺の家に飛び込みしてくるなんて」
「私もびっくりですよ! 今日はお店休みなんですか?」
「うん、久しぶりに休暇をもらってね。ほんとタイミングばっちり」
コーヒーを2杯入れてリビングに持って行く。
香ばしい匂いが鼻をくすぐる。
「まさか保険レディやってるとは思わなかったよ」
「風俗卒業するときに決まったって言ってた正社員って、ここのことだったんですよ」
「なるほどね。お仕事は順調なの?」
「全然ですねー。営業向いてないのかもしれません…」
地雷を踏んでしまったのか、あからさまにしょんぼりするおとは。
(な、なにか気の利いたこと言ってあげないと…)
「まっ、おとはならすぐに契約もバンバン取れるようになるって!」
「私、入社して半年ですけど、まだ両手で足りる程度しか契約ないんです…」
うん、向いてないわ、それ。
…とは言えず、彼女の話と愚痴をひたすらウンウンと聞くことに。
(せっかくの休みに、何してるんだ俺は…)
おとはを家に招き入れたことを若干後悔しながら、机の上にあるタバコに手を伸ばして火をつける。
「あの、店長…」
「ん? どうしたの?」
「え、えっちするので契約してくれませんか!?」
「ぐっ、ごほっごほっ…。えっ、本気!?」
いきなりのことすぎて、タバコの煙にむせかえってしまう。
いや、彼女のような美人とセックスできるなら本望ではあるが。
「はい! 店長になら抱かれてもいいです!」
「そ、そう(笑)。それはありがとう…」
「じゃっ、さっそく!」
そう言うと、おとはは立ち上がって私の手を握った。
それに応えるように、私は彼女の手を引いてベットルームに向かった。