「志望理由も聞いていいかな?」
「声優の学校って、普通の専門学校よりお金かかるんですよ…」
「なるほど。その学費に充てたいって感じかな?」
「そうなんです。学費以外にもスタジオ代とかオーディションの交通費とかで月15万~20万は必要なので」
専門学生として学びながら普通にバイトして、月にそれだけのお金を稼ぐのは確かに難しいだろう。
しかも、聞けば彼女は学校に通うために地方から出てきて、一人暮らしをしているのだという。
稼げる仕事を探していたそうだが、なにせこの奇抜な見た目だ。
ガールズバーやキャバクラではテイストが合わない、と断られまくったそう。
最後の手段として受けたのが、この風俗の面接だったわけだ。
「それでも他のお店では髪色で断られてしまって…」
「なるほどね。でもうちは大歓迎だよ、よろしくね」
「はいっ! ありがとうございます!」
パァ~っと明るくなった彼女の表情が可愛らしくて、思わず私も顔がほころんでしまう。
だが、相手が喜びを感じているところで、すかさずいつものセリフを投げかける。
「じゃあ、未経験ってことだし、講習も受けてもらおうかな」
「講習…って、どんなことするんですか?」
「接客の練習だね。お客さんにする全身リップとかフェラを俺にやってもらう」
「な、なるほど…頑張ります!」
雇ってもらえ、見放されたくないのか、みなみはやたらと聞き分けがよかった。
その後、面接を終えた私は、彼女を連れてホテルに向かった。