昔からテレビドラマやアダルトビデオの設定などで、性風俗店に勤務するキャストが店長なんかに講習と称して体を要求されるシーンがある。
メディアのそういった取り上げ方が浸透し、性風俗店では店員に手を出される可能性があるというイメージが、皆さんにも付いているだろう。
確かにひと昔前、マンションヘルスなどがまだ許されていた頃は、風俗業界もかなり自由が利いて、そういった美味しい思いができる男性スタッフがほとんどだった。
風俗市場もまだブルーオーシャン、店を出せば儲かるというレベルの時代であり、キャストの給与も非常に高かったおかげで、セクハラを受けても辞める者はほとんどいなかったのだ。
しかし現代の風俗業界は、店舗が増え、顧客の奪い合いと働き手の奪い合いが激化している。
いかに働き手であるキャストを店舗に残すか、という部分に頭を悩ませている店は少なくない。
少しでも多くのキャストを雇うために、高額な保証金を提示したりするところも増えているのだ。
そんな中、店を辞められてしまうリスクを冒してまで、キャストにセクハラしようなんて考えている人間は少ない。
時代の流れと共に、実技講習でセクハラまがいの行為をする人間は、ほとんどいなくなったのだ。
だがこれは「少なくなった」という話であり、「完全にいなくなった」ワケではない。
キャストによっては、実技講習で最後までしてしまっても問題がないケースもあるのだ。
今回は、そんな“稀なケース”を体験した、私の店長時代のエピソードを振り返りたいと思う。