【美春から思いもよらない誘い】
その日、朝の出勤キャストは美春だけだった。
予約の仕事を2本こなした後、事務所で彼女といつもの様に会話を始める。
しかし、美春は開口一番、思いもよらない言葉を発した。
「○○君、今度ご飯作ったげるから遊ぼうよ!」
キャストとプライベートで会うことはご法度とされているこの店で、まさか向こうからそんなことを言われるとは思ってもみなかった。
「いや、でも仕事以外で会うのは…」
「じゃ、仕事の相談に乗ってもらうってことで(笑)!」
「う、うーん…」
「次の水曜日休みなんでしょ? じゃあ、その日に連絡するね」
強引に押し切られる形で約束を取り付けられる。
とはいえ、気になっていた女性に誘われたのだから、まんざらでもないのは確か。
「じゃ、水曜日で」
「よし! 何食べたいか決めててね。頑張って作るから!」
屈託なく笑う彼女を見て、私の顔もほころんだ。
そして心の中では、あわよくば当日にセックスまでできれば…なんてことを考えていた。
仕事を終えて事務所を出るころ、メッセージが届いた。
「そういえば、○○君のお家使える前提で話してたんだけど、大丈夫(笑)?」
確かに、料理を作ると張り切っていたが、どこでするつもりなのか疑問だった。
「大丈夫、問題ないよ。一人暮らしだし」と返事を送る。
1Kの小さな間取りではあるが、まぁ大人ふたりくらいなら問題なく使えるだろう。
人妻が俺の部屋にあがるって、なかなか興奮するな…。
下衆なことを考えながら、私は家路につくのであった。