事前に行きたい店をピックアップしていた私は、みなみちゃんのお腹の空き具合や好きなお酒などを聞いて、候補の中から絞り込もうと思っていた。
私「みなみちゃん何か食べたいものとかある?」
みなみちゃん「私、さっきご飯食べちゃってお腹いっぱいなんだよね(笑)」
私「もう食べたんか~い!」
みなみちゃん「ごめんなさい(笑)」
私「それじゃちょっとオシャレなバー知ってるけど、そこ行かへん?」
みなみちゃん「う~ん、初めて会う人だし、私がいつも行ってるお店だと安心なんだけど、いいかな?」
私「俺、そんなに怪しい人に見えた? まぁ、みなみちゃんがそう言うならいいよ」
こんな感じで私の事前リサーチは水の泡に。みなみちゃんに行きつけのバーまで案内してもらった。
到着したのはラブホ街の一角に店を構える、少し狭めのバーだった。店内は薄暗く、ロックなBGMが流れている。店員に席まで案内してもらったが、少し違和感を覚えた。客が誰ひとりとしていないのだ。みなみちゃんはこんなところによく来るのか、と思うと少し不思議な女の子だなと思った。
席に座り、お互い飲み物を頼んだ。やはり一杯目はビール!ということで、お互いビールを注文。生ハムなどの軽いおつまみも頼み、ビールが来たところで乾杯。初対面なので、まずは普段の生活や地元の話で盛り上がった。やはり女の子と一緒に飲むお酒はおいしいし、一緒に話していて楽しかった。
みなみちゃんは専門学生で、医療系のお勉強をしているそうだ。資格の勉強がとかレポートがといった真面目な話をいろいろ話してくれた。私は“見た目によらず意外と勉強に熱心なんだな”と少し失礼なことを考えながら聞いていた。
みなみちゃんはお酒に強いようで、よく飲んだ。しかし、メニューを店員に見せて指を指して注文しているので、私からは何を頼んでいるのか分かず、少し財布が心配になってきた。この時、お酒が入っていることもあり、まぁ大丈夫だろうと気が大きくなっていた。しかし、その考えが完全に裏目に出ることに…。