「出会い系」を利用する男性に世間がどういったイメージを持つのか分からないが、きっとそんなにいいものではないハズだ。確かにやることを目的にしたものもあるが、現状の生活では知り合えない人たちとの出会いは純粋に刺激的で、身分を偽るとまではいかなくとも若干の脚色もできるという意味では、リスクを回避した上で冒険気分も味わえる。
大学院生である私は研究室に閉じこもることが多く、出会い系のスピード感と刺激に魅力を感じハマっているのだ。
私はその日、「イククル」の掲示板機能を使って暇そうにしている女の子がいないか探していた。
18時頃になるとイククルの掲示板には誰かと飲みに行きたいという女の子が徐々に増えてくる。私はそのタイミングを狙って掲示板に書き込みをしている女の子に連絡をしていった。すると一件返信をもらえた。みなみちゃんという女の子からだ。
掲示板はお互いの目的が会いやすいので、話が進みやすい。みなみちゃんも私も誰かと一緒に飲みに行きたいという同じ目的を持っていたので、すぐに会うことになった。
みなみちゃんのプロフィールには写真が載っていなかったので、どんな女の子か楽しみに待ち合わせ場所に向かった。やはりこの初めて会う前のドキドキ感が出会い系の醍醐味だ。
初めて会うのに人の多いところだと見つけづらいので、待ち合わせはあるコンビニの入り口にした。少し待っていると誰かを探している様子の女の子が。普通の人はこんなところで待ち合わせなんてしないだろう。みなみちゃんで間違いないと思い、声を掛けてみることに。
私「あのぅ、イククルのみなみちゃんですか?」
みなみちゃん「はい、そうです。拓さんですか?」
私「はい、そうです」
みなみちゃんは、ウェーブのかかった少し長めで明るい茶髪が印象的な女のコだった。メイクもバッチリ決まっていて、芸能人で例えるなら益若つばさ似。ギャル系の女の子はあまり好きではなかったが、正直かわいいし、テンションは上がった。