では、そんなドライバー不足にキャストがどう対応してるのかといえば、当然、徒歩で移動することになる。ということもあり、最近は、待ち合わせ式という名目で、ホテルまでの道のりをプチデートのように楽しめるデリヘルも増えている。風俗は商魂たくましくなくてはならないのだ。
収入と効率から考えれば、店舗型と違い派遣型風俗で働く女性からすれば移動時間はデメリットだったりもする。そんな1分1秒を大切にしたいと思う派遣型の女のコたちが導入した移動手段が、自転車だ。ここ最近の自転車ブームもあって、利用するキャストが増えているという。
もちろんこれは、鶯谷という土地柄ゆえだろう。基本的にホテル街の道は狭く、細いゆえに車が少ない。人通りも多くはなく、自転車での移動がラクなのだ。これが新宿や池袋といった繁華街であれば、こうはいかない。
最近は『鶯谷を自転車で走るキャストは3ケタ稼いでいる説』まであるが、その真意はともかく、問題がないわけでもない。まず、駐輪マナーだ。ホテルのスタッフに声をかけるのは当然のことなのに、中にはホテル前に放置するキャストもいるようだ。時にはホテルの駐車場に自転車を停めてトラブルになることも。そして、意外にも多いのが「風情がない」という意見だ。たしかに、ホテル前で別れた後に自転車に跨られ、颯爽と去られるのは余韻も何もない気もする。
(文=子門仁)