【元・エロ本編集者による制作備忘録】
エロ関係に出ている女の相手をする仕事なので、時折他業種の人間から
「エロいネーチャンと金もらって楽しいことができるなんていい仕事ですねぇ」
と言われる。こうした声には“バカ女で飯を食って恥ずかしくないのか”という皮肉と“普通の女では得られない快楽を味わっているのではないか”という嫉妬が混ざっている。
前者に対しては苦笑するよりないが、後者に関してはまったくの誤解だ。この連載で詳細なプレイを記述していないのは、単純に思い出したくもない駄セックスばかりだからである。
確かに性のハードルが極めて低い連中と仕事をしているため、セックスには不足しない。
1年もこの仕事をしていたら童貞だってヤリチンになる。
ただ、性的興奮はほぼなくなるけれども。ノルマに追われ、アタマがどうにかしている連中とのセックスで満足を感じられるわけがない。射精するころにはオナニー以上の虚しさに襲われている。射精することとセックスで充足感を得ることに何ら関係はないのだ。
上記の問いにはこう説明しているのだが、それでも納得されない場合もある。表紙に「淫乱」「好きモノ」等々の文字が飛び交っているせいで、“少なくともそこら辺のネーチャンよりはエロいんでしょう?”と思われるようだ。