どうやら彼女は、付き合う前にエッチをしてカラダの相性を確かめたいタイプらしい。なので、友人のことは気になるが、今以上の関係になるには、とりあえず「エッチをする必要がある」のだという。
しかし友人は「付き合う前にセックスをするのはムリ」と、あっさり断る。こいつのことはよく知っているが、確かに昔から潔癖なタイプだった。
すると、リリちゃんが俺の方を向いて、「どうですか?」と言ってくる。それがどういう意味なのかわからないでいると、
「俺さん、私とエッチしてみませんか?」
と、やけにマジメな顔で言われた。
「いやいや(笑)。酔っぱらってるんでしょ? 変なこと言わないでよ」
そうあしらったのだが…。
「私、今日はエッチする気分で来たんです。友達さんがダメっていうなら、俺さんしかいないじゃないですか」
俺が返事に困っていると、友人が「いいじゃん」と無責任に言ってきた。
いいのかよ!
淡白な友人の一言で、俺は急にテンションが上がった。そして、「じゃあ、する?」とリリちゃんに聞くと、彼女も嬉しそうにうなずいた。
そうと決まれば酒を飲んでいる場合じゃない。友人には悪いが、俺とリリちゃんはさっそくラブホへ向かった。