【スナックで語られるエロ話】
都内屈指の繁華街の外れで30年以上続く庶民的な小さなスナック。近くにはオフィス街があり、会社帰りのサラリーマンが気さくで人情深いママの人柄に惹かれて訪れる。
そんなスナックで、私は2~3年前までママのお手伝いとして働いていた。店内で飛び交う会話は、上司の愚痴から下ネタまで。お酒が深くなるにつれて後者の話が多くなる。時には、話を聞いているだけで私のアソコが濡れてきちゃうエッチな話も…。
【セクハラトークをコミュニケーションだと勘違いする20代会社員】
ゆっくりとお店のドアが開き、そこから顔をのぞかせたのは50代の男性客。店内を見渡しながら、「ママ、部下1人連れてきたんだけど、空いてる?」とママに聞いた。
その日は金曜日ということもあって、店内はほぼ満員。数十分前に空いたばかりのテーブルに案内することになった。
その男性客はお店近くのオフィス街で働いており、月に1~2度ほど会社帰りにスーツ姿で現れる。口数は少なく、お酒がすすむにつれてさらに無口になるタイプ。ママから公認会計士だと聞かされたことはあるが、本人から詳しい仕事の話を聞いたことはなかった。印象は、紳士的な振る舞いをする上品なオジサマだった。
ひとりでお酒を飲むことが好きだと言っていたので、会社の人間を連れてくるのはもちろん初めてで、意外でもあった。
私がボトルとグラスを持って席に着くと、「お姉さん、おっぱい大きいね!」と突然セクハラ発言が飛んできた。その声の主は、オジサマが連れてきた20代後半の部下Aだった。
Aはすでに酔っぱらっていて、ネクタイは緩み、頬は少し赤くなっていた。悪気を感じない無邪気な笑顔で私のEカップの胸を見ていた。八重歯がのぞくその顔は、俳優の藤原竜也に似ているように見えなくもなかったが、私にはなんだかタチが悪い笑顔に思えた。
その後も「お姉さん、経験人数何人?」「最近、いつセックスした?」「好きな体位は?」など、Aは私のセックス事情を詮索してきた。私がいくらエッチな質問をあしらっても、尋問するかのように続けた。嫌気がさした私の表情を見て、Aは楽しんでいるようでもあった。セクハラトークをコミュニケーションだと勘違いして悦に入る輩は、これまでもお店にいなかったわけでもないが…。
そんな部下の隣で、いつものように無言でお酒をチビチビと飲んでいるオジサマ。私とAの会話に一切入ることもなく、それどころか無関係のような顔つきだった。
いいかげんめんどくさくなった私は、Aに反撃することにした。「あなたはどんなセックスしているの? 本当は童貞だったりして」と、少し意地悪な感じで言葉を投げつけた。Aは童貞には到底見えなかったが、これが精一杯だった。
案の定、何の効果もなく、ニヤニヤ笑いながらAはこう言った。
「俺さ、先週、初めて3Pしちゃったんだよね」