高校時代、どちらかといえば地味だった友人は、服や持ち物はブランド物ばかりで、ジュンさんにはキラキラと輝いて見えた。聞けば、堀之内のソープランドで働いていると教えてくれた。その時まで男性には縁のなかったジュンさんだが、風俗のこと自体は知っていた。短大時代に何人か風俗店でバイトしている同級生がいたからだ。
「そこで何となく“私もやってみたい”って思っちゃったんですよね。実は短大の寮時代にレディースコミックにハマって、エロ知識だけは豊富で興味津々だったし(笑)。もちろん風俗で処女を捨てるのはイヤだったけど、フェラまでならって」
結局、そのソープランドで働く友人に自分の気持ちを打ち明けた。すると、彼女はジュンさんにピッタリの、あるデリバリーヘルスを紹介してくれた。それが『処女専門デリヘル』だった。
在籍キャストは、当然バージンのみ。オーナーは50代の夫婦で、ジュンさんは指定された医療機関でチェックを受けての入店となった。講習は「テクニックのなさが逆にウケる店だから」と特になく、いきなり接客させられたという。ただ、オーナーが気をつかって常連さんを付けてくれたので、お客さんのアドバイスを受けながらプレイを進めたそうだ。
その後も入店して1週間ほどは常連客をつけてもらい、徐々に仕事に慣れていったジュンさん。お店自体も処女専門店という点がウケ、忙しかったという。昼間は派遣社員の仕事をこなし、夕方から風俗で働く生活は充実していた。
「最初はお客さんから誘われるのかなって思ってたけど、処女専門店ということで、それを楽しもうとする紳士的なお客様しかいなかった。だから、とても楽しかったの」
気が付けば、入店から3年が過ぎていた。そのうち、派遣社員として働く職場で気になる男性ができた。出入り業者の、3歳年上の背の高いスポーツマンタイプのイケメンだった。その男性もジュンさんのことが気になっていたらしく、向こうから「ご飯でも」と誘ってきたのだ。
彼とは映画などの趣味が合うこともあり、お付き合いに発展したが、「やっぱ、23歳でって恥ずかしいかなって」と、処女であることは打ち明けることができなかったという。
付き合って1カ月もすると、やはりカラダを求められた。しかし、恐さがあり、なかなか首をタテに振ることはできなかった。彼との間には険悪な空気が流れた。さすがにマズイと思ったジュンさんは、思い切って処女であることを告げる。すると彼は、「別に気にしてないよ」と言ってくれた。これで肩の荷が下りた気分になったジュンさんは、その年の夏休みに彼とお台場のホテルに泊まることになった。