※イメージ画像:Thinkstockより
【元・エロ本編集者による制作備忘録】
景気が悪くなると、二束三文にしかならないハメ撮りモデルが編集部へ応募してくるようになった。大々的に募集していないにもかかわらず、電話やメールで売り込みが殺到。しかし、
「素人の女がエロ本の電話番号やメールアドレスを知るわけねぇだろう」
と無視した。ほとんどは素人を装ったAVプロダクション所属の売れないモデルなのだ。
そんな連中の相手に辟易していたある日、男の声で電話があった。エロ本編集部に電話してくる男が言い出す内容といえば、
「お前のところの雑誌はヌケねぇんだよ!」
という罵倒か、
「雑誌に掲載されている広告に騙された」
というクレームばかり。外ではメンヘラ、中ではマジキチの相手というサグライフ。シラフでやっていられる商売じゃない。
缶ビールを飲みながら「さて、今日はどんな文句を言われるのだろうか」と受話器に耳を当てていると、
「私の妻を撮影してもらえませんか?」
とか言い出した。普通なら
「アタマおかしいんじゃねぇの?」
と思うところだが、こういう変態紳士が昔の投稿雑誌を支えていたので、エロ業界では珍しい話でもない。