職業柄、ジャンキーでも化七人三のクリーチャーでもカメラを向けると息子は条件反射で稼働するのだが、悪食の我が息子でも「これは無理だろう…」と逡巡してしまうくらいのレベル。仮名さえ付けるのは癪だが、一応「マナ」ちゃんとしておこう。
学生証をマジマジと見ると、彼女は現役で大学に入学している模様。黙っていればバラ色の未来が約束されているのに、どうしてマイナスにしかならないハメ撮りなどに応募したのだろう。控え目に言っても正気の沙汰ではない。
お顔はアレだが、「まぁ、どうせモザイクかけるから顔はどうでもいいか」と気を取り直してホテルへと向かった。
まずは下着姿の撮影をするのだが、彼女の下着は上下バラバラな上に、中高年が履いているような下着を着用していた。撮影だって言っているのだから、せめて安くても何とかならんものなのか。
仕方なく、筆者のバッグに入っている女モノの下着を貸し出し、ギリギリ及第点まで持ち込んだ。よもやバッグに忍ばせている下着が役に立つ日がくるとは思わなかった。
撮影に必要な諸々のカットを取り終えたところで、メインディッシュの本番である。ここで彼女はとんでもないことを言い出した。
「私、処女なんです」
ベッドの中に潜り込んで処女とカミングアウトされても困る。アンケートには「経験員数8人。一晩限りの男は覚えていない」と記入されていたが、すべて嘘だったようだ。まぁ、アンケート用紙に真実を書く女はまずいなぎが、いくら何でも「経験人数0人」はあんまりである。
仮に筆者が良心的な人間であれば、「初体験は好きな人とするのが一番だよ」と諭すところだが、こちらはハメ撮りを生業にしているクズ人間である。「あぁ、そうなの。大丈夫、大丈夫」と何の解決にもならない言葉を浴びせ掛け、どうにか同衾に至ることができた。
AVであれば「ここが感じるの?」など、優しい言葉を掛けて現場の雰囲気を和やかにするのだが、こちらは1対1のガチンコ勝負。ホテルのサービス料金の問題もあるため、全身から拒否反応を示しているマナに唾をつけるという前戯とも呼べない雑な作業を経て、処女膜にズームイン。