やむなき事情からか、はたまた自らの性癖によるものか、それとも割り切ったビジネスか、なんにせよ日々、男の性に向き合う風俗嬢たち。
そんな彼女たちにも、“初めて男を迎え入れた時”がある。
それは、普通では考えられない相手なのか、えげつない体験だったのか、それともなんのへんてつもないごくごく自然なものなのか。彼女たちがオトナになった瞬間とは…。
「もう昔のことだし、忘れちゃったよ、ハハハ!」
レミさんに今回の取材趣旨を説明すると、豪快に笑い飛ばされた。ルックス的には品の良い夫人という感じで、五十路とは思えないほど若々しいレミさん。しかし、下町育ちの性格の良さが滲み出ているというか、話し方は肝っ玉母さんといった感じがしないでもない。すると、「母さんどころか、おばあちゃんですよ」と、スマホの写真を見せてニッコリ。そこにはふたりの子供が映っていた。なんとお孫さんがいるのだという。
現在、鶯谷の熟女専門デリバリーヘルスに在籍しているレミさん。風俗キャリアは25年になる。21歳の時に結婚し、スーパーマーケットのレジ打ちのパートをしながら主婦業をこなし、息子を一人授かった。しかし、その妊娠中に夫の浮気が発覚して離婚。彼女が24歳の時だった。
「息子が1歳になるまでは、相手の親から養育費とかをもらっていたけど、1年で打ち切られたの。それで、託児所と提携していた吉原のソープランドで働いたの。最初は恐かったけど、お店のスタッフやお姉さんたちがいい人で居心地が良かった」
風俗業界に入るまでのレミさんの経験数は、わずかにふたり。ひとりは結婚相手で、もうひとりが処女を捧げた男性だ。