【衝撃の価格】
セキュリティからIDを求められたので、パスポートを提示。中に入ると、ビアホールのような造りになっていた。店内は、テーブルを囲んでビールを飲むたくさんの男たちで賑わっていた。
噂どおり、ホールの壁沿いにはドアがたくさんついていた。
あれがヤリ部屋か…。
ドアの近くには椅子が置いてあり、派手な服装をした女の子が座っていた。数は10人ちょっとくらいだろうか。話に聞いていたような若すぎる年齢の女の子はいない。
女の子の様子をうかがっている途中で、壁に貼られた紙に気がついた。
「SEXO $ 8.00」(=セックス8ドル)
8ドルでセックス!?
今まで物価の安い国をたくさん旅してきたが、ここまで安い国はなかった。さらに、居酒屋のメニューのごとく堂々と壁に貼られた価格。
なんだここは…。
あまりのインパクトに、ぼくは興奮した。
【珍しいアジア人に突き刺さる視線】
ふと気がつくと、キョロキョロしているアジア人のぼくに客たちの視線が突き刺さっていた。
店には外国人の姿はなく、地元民しかいない。店員が席に案内してくれるような気配はなかった。
空いているテーブルに腰掛けて、ビールを注文。周りに目をやると、客の男たちはまだぼくをジロジロ見ていた。
一人でこの環境は居心地が悪すぎるな…。
でもここは南米だ。他人であろうと、明るく話しかければなんとでもなる。
「Hola! Que tal? Puedo sentar aquí?」(やあ! 元気? ここに座ってもいい?)
近くのテーブルにいた3人組に話しかけてみたところ、快く座らせてくれた。
「Chino?」(中国人か?)
「No. Soy de japon」(違う。日本人だよ)
発展途上国ではお決まりの会話。日本人だとわかると、たいてい地元民の反応は良くなる。
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