やむなき事情からか、はたまた自らの性癖によるものか、それとも割り切ったビジネスか、なんにせよ日々、男の性に向き合う風俗嬢たち。
そんな彼女たちにも、“初めて男を迎え入れた時”がある。
それは、普通では考えられない相手なのか、えげつない体験だったのか、それともなんのへんてつもないごくごく自然なものなのか。彼女たちがオトナになった瞬間とは…。
今回取材する女性と待ち合わせし、話を聞くために駅からカフェへ移動する途中、すれ違う幾人かが振り返った。その理由が、彼女の美貌にあることは容易に想像できた。男はひきつけられ、女性は羨望の眼差しを送っていたのだ。
カフェに到着し席に着くや、彼女に“綺麗すぎて緊張している”ことを伝える。すると、「化粧でごまかしているだけです。仕事が仕事だから…」と謙遜気味に蘭さんは笑った。
蘭さんは現在34歳。普段は、デパートの美容部員として朝10時から夜7時まで働いている。そして休日には、渋谷発の高級デリバリーヘルスのコンパニオンとなる。ちなみにその店は、最安値でも120分で8万円からという高級店だ。
「風俗で働き始めたのは3年前です。投資に失敗して300万円の借金(苦笑)。最初はキャバクラに面接に行ったんですけど、年齢で引っ掛かって。その時に“風俗のほうが稼げるよ”って言われたんです」
もちろん風俗の存在自体は知っていたが、多くの女性がそうであるように、蘭さんも「私には関係ないもの」と思っていたそうだ。それでも、背に腹はかえられぬ状況だったこともあり、ネットで検索して新宿のデリヘルの面接を受けた。
「お給料の良さで選んだら、そこ、JK系のデリヘルだったの(笑)。もちろん、面接さえ受けさせてくれなかった」
そう、彼女の風俗の知識は、そのくらいだったのだ。
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