遼子さんが育った家庭は、両親に3歳年上の姉との4人家族。ごくごく普通の家庭で、それは性への好奇心もそうだった。母親が持っていた婦人雑誌のセックス特集をこっそり見て驚いたりしていたのだという。
学校は小学校から高校まで公立の共学校だったが、彼女には中学時代からの親友Yちゃんがいた。高校生になると同級生らのロストバージンの話も聞こえ始め、そこで遼子さんも親友と「“私たち、どうする?”的な話をするようになった」のだそうだ。
「それで、どこでそういう流れになったのか覚えていないんだけど、『私たち、処女を捨てるのも一緒だよ!』ってなって(笑)」
そして、高校2年になるとお互いに彼氏ができた。同じ学校の同級生だったので、4人でダブルデートなども。しかし、お互いにあと一歩を踏み出すことができなかった。
そこで遼子さんは、「処女を捨てる気が満々だった」という4人での夏休み旅行を提案。そして、8月初旬に伊豆への旅行が決まった。
しかし、それを良しとしなかったのが両親。もちろん、遼子さんはYさんと女同士で行くと嘘をついたが、「子供同士ではダメ!」と言われてしまう。説得を繰り返し、両親が出した条件が「一学期の期末テストで上位に入ること」だった。
「処女を捨てたくて仕方なかったから、私史上最高に勉強したの。だから、あの子たち(取材場所のファミレスで勉強している高校生)を見ていると、当時を思い出すのよね(笑)」
結果は、見事クラスで2位となり、母親も渋々ながら旅行を許してくれた。テスト後は親友と、どのように誘って、どのような下着を選んで、「いかに処女を捨てるか?」ということで何度も打ち合わせをしたという。
そして、待ちに待った8月、伊豆旅行の日がやってくる。宿泊するペンションには20歳の大学生と偽って予約したので、服装や態度など、かなり背伸びしたという。「ペンションのスタッフの前でムリヤリ政治の話をしたりしてね(笑)。ワザとらしくて、もう20才じゃないってバレバレ」と懐かしそうに笑う遼子さん。
しかし、思わぬ落とし穴があった。寝室は1部屋で、そこに4つのベッドがあったのだ。
予約時にベッドルームの数を確認をしておらず、その部屋を割り当てられたのだ。これで、ワクワクしていた気持ちが一気に萎えることに。