このエリザベス神輿は、近年、面掛行列では一部が天蓋で覆われてしまい“真の姿”を見ることができない。その理由のひとつに、見物客の度を越した行動がある。過度な露出や迷惑行為が横行したこともあって、昨年は神輿を担がずに台車に乗せて練り歩くなどの措置が取られるようになったという。
つまり、ピンクの御神体の真の姿を拝むには、格納庫から出されて準備しているところを見学するしかないのだ。
例年この祭りは天候に恵まれないそうで、小雨が降る中で開催されることが多いという。しかし、今年は前日までの悪天候がウソだったかのような好天に恵まれた。すると、スタッフから「今年の先っぽは濡れねぇなぁ」「下はグチュグチュになっているところがあるけど(笑)」といったウィットの効いた会話が聞こえてきた。
1年ぶりに露わになったピンクの巨根を磨き上げ、待機用の台車に乗せ、天蓋を設置して準備が完了。さらに、かなまら舟神輿、大神輿の準備も整って、あとは出発を待つだけとなった。
9時を過ぎたあたりから見物客が集まり始めたが、外国人観光客の数が日本人よりも多いように感じた。そのうち境内は身動きが取れなくなるほど人が集まり、ついには入場規制が発令されることに。入場待ちの行列は、最終的には約500メートルほどに伸びた。
12時になり、いよいよ界隈を練り歩く面掛行列のスタート。しかし、なかなか境内から出ることができないほどの混雑ぶり。境内を出発した神輿の行列は、川崎大師駅前を通り、川崎大師表参道を過ぎて大師公園へ。そこから再び表参道を経て、若宮八幡宮に戻る行程だった。
エリザベス神輿は、昨年は規制されていた女装者の担ぎ手によって担がれ、恒例だった「でっかいまら!」「かなまら!」の掛け声も復活。すっかり活気も戻った格好だ。