筆者は普段、仕事で使用している一眼レフカメラに外部ストロボ、レフ板という装備だったが、ミキさんは「そんな“軽装”でいいの?」と言ってきた。
なんでも、このコースを選ぶお客さんのほとんどが、ホテルの部屋にスタンド式のストロボを2、3灯立てて、なかばスタジオのようにして撮影するという。
また、ポーズに関しても、筆者はこのコースが「どのようなものか?」程度の興味だったのでミキさんにお任せしたが、多くのユーザーはアツいこだわりを持っていて“理想の写真集”を作るのだそうだ。
つまりこのコースは、風俗ユーザーというよりも、写真撮影が趣味の人向けといった趣だ。
また、有料オプションで好きなコスチュームを持ち込み、モデルの女性を自分好みのキャラクターにして撮影をするオタク系の利用者も多いそうだ。そのため、普段は性的な交渉に興味はないけれど、理想を形に残したい男性に人気があるコースだという。そして、筆者のようなバリバリの風俗ユーザーは、ほとんどいないそうだ。
それでも筆者は、下着姿から、無料オプションのコスチュームであるメイド服、その前後の着替え、オールヌードと撮影をこなしていった。ここでひとつ困ったことが。それは、思わず撮影に没頭してしまい、一通りのことを終えても、かなりの時間が余ってしまったのだ。
するとミキさんが機転をきかせ、「お風呂でも撮りましょうか?」とバスルームに消える。準備が整ったと言われバスルームに行くと、そこには泡だらけになったミキさんの姿。そこでいろいろなポーズを取ってくれるのだった。
ちょっぴりセクシーなアイドルの写真集を撮影するカメラマン気分を味わうことができ、当初自分が想像していたよりも楽しむことができた。風俗ライターとしては、脱ぎはあってもヌキがなく、1時間で3万円近くの料金を払うのは正直しんどいわけだが…。それでも、まぁやり切った感があったので、たまにはこういうのもアリなのかもしれない。ちなみに、撮影した写真は、規定により個人で楽しむことしかできないので、あしからず。
(文=子門仁)