実家の高知から韓国までの570キロを走ったり、ひとりで6万個のドミノを並べるなど超ハードな企画に挑戦した彼女は、いつしか「NGなしでなんでもやる崖っぷち歌手」と呼ばれるように。本業でも過激路線は続き、19歳のときに発表したソロシングル『カレーライスの女』のジャケットでは、「裸エプロン」という刺激的な姿を披露した。
これによってビジュアル人気に火が付いた彼女は、グラビアの仕事が急増。しかし、見た目を磨くためトレーニングを開始したはいいが、がむしゃらになりすぎたため1カ月でマイナス10キロ体重を落としてしまう。あわてて体重を戻したものの、その変化にカラダが耐え切れず、仕事中に何度も倒れて病院に緊急搬送された。
「そのうち、なんでこんなに頑張ってきたのかわからなくなり、虚しくなってしまった」というソニン。そんなとき目にしたのが、女優・大竹しのぶ(59)の舞台だ。大竹の芝居に感銘を受けたソニンは、舞台女優に憧れを抱くことに。タイミングよく大竹が出演するミュージカル『スウィーニー・トッド』(演出・宮本亜門)のオーディションが行われており、それに参加したソニンは見事に役を勝ち取った。
その後、舞台女優としてやっていく覚悟を決めたソニンは、芸能活動を休止してミュージカルの本場・ニューヨークへの留学を決意。1年半の間に、「周りの意見に左右されず、常に自分らしく自然体」でいることの大切さを学んだと話しており、留学は大きなターニングポイントになったようだ。
帰国後のソニンはさまざまな舞台に出演し、2016年には優れた芸術家らを表彰する『菊田一夫演劇賞』を受賞。過去に大竹も受賞した賞に輝いたことをソニンは、「感無量」と表現した。そして最後に、「指示でなく 決断した道 支持を得る」と教訓を発表。さらに、同じ境遇に悩んでいる人に向け、「一歩踏み出す勇気を持って、自分の意思で進んでみてはいかがでしょうか。勇気をもってください」とエールを送って講義を結んだ。
衝撃的な“しくじり”エピソードと目標をもって生きることの大切さを語ったソニンには、ネット上の視聴者から、「壮絶なしくじりだった」「あきらめない気持ちが大事なんですね」「歴代のしくじり先生の中でも指折りのアツい回だった」といった感動のメッセージが殺到。一部には、「色っぽくなった」などとルックスを絶賛する声もあり、男性人気も上昇したようだ。今回の番組を機に、ソニンの出演する舞台に足を運ぶ人が増えることになりそうだ。
(文=愉快)