「元祖『神7』はAKB48がアイドル界の頂点に向かって奮闘していた時期の中心メンバーであり、初期からのファンにとっては苦楽を共にしたかけがえのない存在。いずれも当時より少し大人になりながらイメージは大きく変わっておらず、登場しただけでファンの涙腺は緩みっぱなしになっていました。グループがブレイクした当時の中心メンバーということもあって、ファンならずとも『これぞAKB!』と感じさせる貫禄があるのもさすがですね」(アイドルライター)
元祖「神7」の熱唱後も、小嶋はファンの間で人気だった大島との“こじゆう”コンビで「禁じられた2人」を歌ったり、前田との“こじあつ”コンビで「桜の木になろう」を披露したりと心憎い演出を連発。後輩たちとも幅広くコラボし、昔を懐かしむだけでなく現メンバーに光が当たる演出も仕掛けながらセットリスト32曲中30曲に登場するという驚異のタフネスぶりでAKBとしての最後の大舞台をやり切った。
フィナーレは涙の感動演出かと思いきや、小嶋は突然「私、時間がないの! 今からちょっとミラノに行ってくる!」と叫びながら会場の外へ向かい、そのままリムジンに乗り込むと空港に直行。呆然となったメンバーやファンが置き去りにされるという“こじはるらしい”爆笑演出で祭りを終えた。
近年はライバルグループとして誕生した乃木坂46や欅坂46の「坂道グループ」が大躍進し、本家だったはずのAKB48グループは人気急落が指摘されている。だが、小嶋の卒業コンサートはテレビの情報番組やネットニュースでも多くの関心を集め、元祖「神7」のそろい踏みショットは大反響。小嶋が最初期からのメンバーとしてAKB48の底力を見せつけたともいえる。
小嶋は29歳の誕生日となる4月19日に、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行う。自由気ままに振る舞っているように見えながらもグループを常に支え続けてきた彼女が、ソロとなってどのような活躍を見せてくれるのか楽しみにしたい。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)