風俗店に救急車が来る時…絶対に勘弁してほしい緊急事態、その顛末

■救急隊到着

 とはいえ、まさか全裸でお帰りいただくわけにはいかず、かといって、入店時のスーツを着せ直すわけにもいかず…。できることといえば、パンツと靴下を履かせてバスローブを羽織らせておくことが関の山でした。

 フロントに言って紙袋を用意してもらい、スーツを極力きれいにたたんで仕舞うと、衣服に関してできることはもうありませんでした。私も服を着直したので、これで救急隊員さんが入ってきても大丈夫です。S様の汗を拭いてあげ、寒がるので肩をさすってあげていたところにサイレンが聞こえてきました。

 店の前、窓はフタがされていましたが、その音の大きさで目の前に止まったと思える位置に救急車が停まり、部屋がノックされるまでに約2分。会釈する店長とともに救急隊を部屋に迎え入れます。

 隊長さんに促されて再び部屋に入り、2名の隊員さんがS様に処置をしているのを見ながら、予めまとめておいた経過のメモを渡しました。

 メモを見ながら呂律や手足の麻痺の有無も含め重ねて口頭で確認・説明していくと、それまでうなずいていた隊長さんが、ゆっくりと口を開きます。

 
「あの…、デキましたか? この状態になったのは“前”ですか? “後”ですか?」

 
 要はプレイはできたのか、という質問なんですね。勃起したのかしなかったのかで見方も変わってくるでしょうし、お風呂の後というのはポイントなのかもしれません。

 私が話している間、隊員さんはS様に意識と身元の確認をしていたと思います。隊長さんが私の話を一通り聞く頃には、S様はバイタルを取られ、簡単な処置を施され、搬出の準備が整っていました。さすが救急隊! お仕事が早い!! 担架でエレベーターには乗れず、車椅子に乗せられて部屋を出ていくS様。私は救急隊員さんに着替えの紙袋を渡し、「お疲れ様です、よろしくお願いします」と言って見送ったのでした。

 さて、貸したバスローブは返ってこないものの、S様はきっと大丈夫だったと思い、事後のお話をしましょう。

 まず店長に、「いや~まおみさん、ものすごく落ち着いてましたねー! カッコよかったです!!」と褒められました。いやいや、それほどでも。それから、ご近所のお店には当日中に知れ渡り、噂になっていました。誰だ漏らしたのは!

 こういうところで緊急事態になった時、皆様がまず恐れるであろう「ご家族への連絡」については、本人に意識があって身元の確認が取れる状態であれば、まずご本人に家族に連絡するかどうか(できるかどうか)を確認するようです。意識がない時には、どうぞ諦めてください。

 こんなに詳細にシミュレーションしたら、もういつ倒れても大丈夫ですね♪ これでさらに心置きなくお風呂遊びができるんじゃないかと思います。今週も元気にハッスルしましょ♪
では、また次回!
(文=茅原まおみ)

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