【満を持して店外デートのお誘い! その反応は?】
そろそろ頃合いかな…。
ぼくにとってはここからが本番だ。
「明日は仕事なの?」
「休みよ」
「明日…会えないかな?」
「…明後日だったらここにいるわ」
「明日じゃなきゃだめなんだよ。明後日はもうリオにいないんだ」
考え込む彼女。こういう駆け引きの瞬間が一番楽しい。
「…どこに泊まってるの?」
この質問は会うことも視野に入れている。悪くない食いつきだ。
「セントロだよ」
「この近くなのね!」
なんだか今日イケそうな気がする!
ただ、これを伝えない訳にはいかない。
「でも、ホテルじゃなくてホステルなんだ」
「…」
一時は傾きかけたように見えた嬢。ここで雲行きが怪しくなった。
「何か日本の歌を歌って」
はい?
「私、歌が好きなの」
全然関係ない話に一瞬で切り変わる。
仕方ない…歌おう…。
今日は嬢サービスモードだ。
(無駄に)真面目に考えた末に選んだのは、名曲「上を向いて歩こう」。
無難な男…。
歌は楽しそうに聞いてくれた。
さぁもういいだろう。本題に戻ろう!
「あのー、ところで明日は…」
「そろそろ時間ね! 行きましょう!」
食い気味に返事をしてきた。
ここで試合終了。完敗だ。