■安定剤の飲み過ぎでブッ飛ぶ
別のお店に勤めていた時の、こちらも看板嬢です。普段からワガママというか空気を読まないというか、お店の中でも大きな顔をしている感じの子でした。仲のいい女の子には出勤から退勤まで暇さえあればベッタリ構い、それ以外の子には目もくれない。そのくせ、突然気まぐれを起こして普段は無視しているような子のところに押しかけ、ニコニコと自分語りを始めることもある。といった、なんだかちょっと変わった子でした。
顔出しをしているし、当時二十歳になったばかりと若い子でもあったし、その振舞い自体はしょうがないかなと思っていたある日。その日はお休みだったはずのその子が、尋常じゃない勢いでお店に飛び込んできました。そして、女の子たちも気付くほど受付で暴れし、店長とスタッフに取り押さえられることに。すると、今度はわんわん泣きだし、呂律の回らない舌で何事かをわめきだしたのです。その後、店長にどこかへ引っ張っていかれ…。
後から聞いた話によると、前々から精神的に不安定だったらしく、精神科で安定剤が処方されていたのに不精で飲まず、何がきっかけだったのか、溜めに溜めた薬を一気飲みして前後不覚のまま寮から裸足で走ってきたとかなんとか。「泡吹き始めた時には、ちょっと覚悟したよ。病院すぐ見つかったし、落ち着いてくれてよかった」と言う店長とともに、女の子たちも胸をなでおろし、よかったよかっ…って、いや、よくないでしょ!
当時、まだ風俗歴の浅かった私には、風俗店というところはこんなことが起きるものなのかと衝撃でした。しかし、そんなことをした子は、今のところその子ひとりきりです。
ここまで読んでくれたアナタ、「やっぱり風俗嬢ってそういう子ばっかりなんだ!」って思ったでしょ。ちょっと待てください。これは、あくまで“ひとつまみ”なんです。こういう極端な例を知って「へえ、風俗嬢ってそうなんだ」となるから、風俗に勤めているなんて余程の事情持ちなんだと思われちゃうんですね。
大部分の子はこんなこと絶対しないし、行くお店によっては“こういう部分”に気も付かずに風俗人生を終えるんじゃないかな。だって、こんな子が普通に何人もいたらお店がやっていけないでしょ。みんな真面目ないい子たちばっかりなので、仲良くしてあげてくださいね!
本日は、ちょっとアブナい匂いのする話題でした。今週もビンビンで頑張りましょうね♪ では、また次回!
(文=茅原まおみ)
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