こんにちは、しじみです。架空のお店『Barしじみ』に私の友人を招いて、さまざまなトークを繰り広げるこのコラム。
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7人目のお客様は、「クサイ・キタナイ・キツイ・キモチワルイ」狂気の4Kカルト劇団『ゴキブリコンビナート』の油絵博士をお迎えして、ゴキコンの危ない魅力をお聞きしました!
油絵博士の製作した特殊小道具と共にどうぞ♪
しじみ:宜しくお願いします。あ、お汁粉飲んでる。いつも飲んでるんですか♪
油絵博士(以下、博士):いや、インタビューだからすごい脳みそ使うかもと思って。
しじみ:ありがとうございます! 今回お会いするのは初めてなんですが、ゴキブリコンビナートの舞台は観に行ったことあるんですよ。『にぎやか動物横丁』ってやつ。
博士:ちょうど僕が出てない時ですね。
しじみ:その名の通り、牛、ヤギ、豚、猫、うさぎなどの本物の動物が出てきて、舞台や客席を走り回るんですよね。内容も狂気に満ちてて、演者は全員アドレナリンが出てて気持ち良さそうで羨ましかったです。博士はいつからゴキコンにいるんですか?
博士:2003年に入りました。
しじみ:昔はどんな感じだったんですか? もっと尖ってた?
博士:そうですね。雰囲気が殺伐としてて怖かったです。
しじみ:殺人鬼がいそうな感じ?
博士:そんな感じです。ポツドールって怖い劇団の人に「刑務所に入る方がマシ」って言われてたらしくて、俺もそんな印象でした。ゴキコンは大好きだったけど、自分が人前に出て何かをやりたいと思った時、あれは無理だってまず除外してた。
しじみ:わかる! 楽しそうだけど、自分はあそこまで身も心も捧げられるのかなって考えちゃう。
博士:それで、その頃ゴキコンと仲のいいロリータ男爵という劇団が募集してたから、こっちでいいやと思ってオーディション行ったら「普段普通に喋れる人かわからない」という理由で落とされました。
しじみ:えっ!? どんだけヤバイ人に見えたんでしょうかね(笑)。今こうやって普通に喋れてるのに…。
博士:失礼ですよね。でも、オーディションでゴキコン好きだと言っていたので、合格通知に「ゴキブリコンビナート紹介しましょうか?」と書いてあって、ああ最初からそうすれば良かったんだなと思ってゴキコンのワークショップへ行くことになりました。
しじみ:ワークショップとかあるんですか!? カルト教団の合宿みたいで恐ろしそう。
博士:それがまた…酷い目に遭いましたね。受講生5人中2人が途中で逃げて、残った男3人が裸になりガムテープでがんじがらめにされて、“3兄弟”(肉体が融合した兄弟という設定で、一本の串を3人のほっぺたに貫通させて繋がることで絆を確かめ合うというネタ)を池袋ウエストゲートパークでやらされるんですよ。事あるごとにウエストゲートパークだったんですけど、雨ん中で火を噴かされたり、鼻と口にチェーン通されたりして、「そこの裸いい加減にしろ」ってお巡りさんに叱られました。辛かったです。
しじみ:ストイックですね。入りたいなら忠誠心を見せろって感じなのかな?
博士:それは全然ないんですよ。帰属精神とかなくて、そもそも体育会系が嫌いな人たちが作った劇団ぽくて。でも俺の印象ですけど「体育会系が嫌い」って言う人たちの特徴って、みんな嫌味な人になっていくんですよね。結局言いたいことがあった時、形が違えどどっかから漏れるんだなって。
しじみ:嫌味な人(笑)。
博士:まぁ、ゴキブリコンビナートはストイック且つ、来る者拒まず去る者追わずという感じです。
しじみ:それで、そのワークショップで受かって入団したんですか?
博士:受かるとかないですね。出たいって言えば出れるし。
しじみ:でも、人気劇団だから出たいって人いっぱいいるんじゃないですか?
博士:当時はそう思ってたんですが、意外といなくて。
しじみ:観たいけど出たくはないって感じなのかな(笑)。