まず第一の舞台は、1階にある『Y』というファッションヘルスだ。お姉さま系の女のコが多く、“姉(あね)ヘル”と呼ばれていた。
受付には、松山風俗初心者であれば誰もが驚く物がある。それは指名用の写真パネルで、なんとモザイクやボカシが入っているのだ。東京の店舗型ヘルスの場合、ホームページなどでは顔出しNGな女のコでも、受付だけでしか使用されない指名用の写真パネルは顔出ししている。そうでないとお客さんが指名をするにできないからだ。
さらに松山風俗では、客は防犯用のカメラに10秒ほど顔を見せることになる。これは女のコの待機場に流されて、知り合いかどうかをチェックするためだ。それで接客ができるか否かをスタッフに伝え、接客可能な女のコの写真を提示されるという流れだ。地元の女性が数多く働いていることから顔バレしないための対策である。
もちろん、中には顔出しをしている女のコもいる。しかし、その多くは出稼ぎで在籍しているケースなので、ご当地の女のコと遊びたい場合は、賭けではあるが、モザイクがかかった写真を選ぶべきだろう。
ということで、初戦のお相手となったのは、20代後半のKさん。アンニュイな感じのスレンダー美女だった。
プレイ自体はオーソドックスなファッションヘルススタイル。ベッドでキスから全身リップ、そしてシックスナインという流れで、可もなく不可もない。バスルームにマットがあったが、「アレは事前予約やけん。やりたい時は電話予約の時に言わんといけんのよ」と教えてくれた。伊予弁のイントネーションは、女性の場合、甘えているように聞こえるので少しドキッとしてしまった。
ひとまず、初戦は最短の40分コースで余裕の発射。すかさず次の階へ。スタッフが見送ってくれたが、外ではなく、そのまま上の階へ向かう筆者の背中越しに「え?」という驚きの声が聞こえた。
続いては、『S』というファッションヘルスだ。少し暗めで妖しげな店内にドキドキする。案内された女のコは、20代半ばくらいのYさん。スレンダーでボンデ―ジ系のコスチュームがよく似合っていた。どうやらこの店は、ファッションヘルスを謳ってはいるが、M性感寄りのようだ。
プレイが始まると、アイマスクと手枷で拘束されて、あとは彼女に弄ばれるままに。そして、「もう濡れてグチュグチュやけん」とか「ほんま、いやらしいコよね」と、伊予弁の言葉責め。最初の発射から1時間も経っていなかったが、彼女のスナップを効かせた手コキの前に呆気なく2度目の発射となった。
短時間での連続発射に股間が多少ヒリヒリしたものの、最後の刺客のもとへ向かうことにした。
最後のフロアーにあったのは、『A』というファッションヘルス。60分コースで2万円と、道後屈指の最上級店だった。これぞファイナル、これぞラスボスといった感じで、テンションも自然と上がる。
案内された部屋は6畳ほどの広さで、女のコのプライベートルーム然としたインテリアでコーディネートされていた。なんだかお相手のSさんの部屋に招かれたような感じだ。彼女のお嬢様のようなルックスも手伝って、妙な緊張感を覚えた。
プレイはさすがに値が張るだけあって、まるで高級ソープランドのような至れり尽くせり感があった。尽くすように常に丁寧に舐め、触れてくる。直前に2度発射しているのでさすがに勃起するまでに時間がかかったが、彼女のスペシャルテクニックで最後の発射となった。
こうして無事3フロアを制覇したわけだが、一見実にくだらない『風俗死亡遊戯』も、道後という土地柄ならではのものだ。もちろん、条例が変わらないかぎりだが…。
(文=子門仁)