しじみ:どっちがいいんだろうね? でも“自分のことを元AV女優だって知ってる相手と話すのダルい問題”ってあるよね。男性のホクホクした表情に辟易するし、自分もそのキャラ崩せないし。
英子:でも、AVってバレたくないとか言ってるわりには、いざ合コンとかで話題が下ネタになると「そこだけは私たち負けません!」とばかりに男性陣を蹴落とすよね(笑)。
しじみ:そうそう! 「俺エスなんだよね」とか「3Pしたことある」とか言ってきたもんなら速攻取り締まる! エロへのプライドが邪魔して「下ネタとかやだ~」とか可愛いことが言えない。
英子:そこだけ急に“AV女優風”吹かせたくなる(笑)。
しじみ:他には何かある?
英子:引退後に付き合った彼氏には、毎日のように「汚い! 女としてクズ! 廃車!」とかケチョンケチョンに言われてた。すごく辛かったけど、そこで目が覚めたというか、一般の人の感覚ってこうなんだなって分かった。
しじみ:まあ、そういう反応する人も少なくないよね。
英子:だから「あの時、私は別に気持ち良くなかったし、どれだけ自分がエロく綺麗に映るかしか考えてなかった」って説明したの。
しじみ:そうだよね。いい画が撮れることが正義だから、みんながその同じ目標に向かってるだけだよね。
英子:でも分かってもらえなくて、彼氏が「自分がどんなことやってきたか見ろ!」って言うから自分の全出演作を買ってきて、それを朝から晩まで観ながら、自分が何て言って何回イッて人様にどう見られてたのかをメモして、彼氏に事細かに説明したの。「このシーンもこの台詞も全部演技でやってるんだよ」って。でも、彼氏は「何言われてもこっちには分からないし、気持ちいいって言ってんじゃん、イクって言ってんじゃん、それがすべてだよ」ってそれだけ。
しじみ:なんか、そういうプレイみたいだね♪
英子:お互い頭おかしくなってたね。その時はご飯が喉を通らないくらい病んだけど、確かに“映ってるものがすべて”っていうのは分かる。例えば、彼氏が浮気して「あんなの全然気持ちよくなかったし、相手のいるオナニーだよ」って言われても、「そんなのどうだっていい! セックスしてんじゃん!」って思うもんね。
しじみ:それは上手い例えだね…。
英子:でも、仕事でやるセックスは本当に仕事でしかないんだけどな…。なんなら私、撮影終わった後は「あ~セックスしたい!」っていっつも思ってたもん。やっぱり好きな人に抱かれないと気持ちいいとさえ思わないし。男にはそれが分からないのかな。