ドアをノックすると、中からフリーザ(言わずと知れたあの漫画の)を彷彿とさせる痩せた小さなおばちゃんが出てきた。
まさか、このフリーザが相手ってことはないよな…。
一瞬ピリリとした空気が流れる(ぼくの中にだけ)。
フリーザと話をする案内してくれたおっさん。話がついたのか、すぐに中に通された。
ドアの中に入ると、ソファーが並んでいて黒人のおっさんが5人くらいでビール飲みながらしゃべっていた。
どこからどうみても、旅行者が立ち寄る場所ではない。
部屋の奥に目をやると、フリーザのほかに下着姿の若い女性がふたり。彼女たちが嬢だろう。
値段を聞いてみると、50レアル(当時のレートで約2300円)とのことだった。ブラジルでは格安風俗の部類だ。
さて、気になるのは若い女性のクオリティだが…ドドリアさん(言わずと知れた…)が現われた。しかも2体だ。
普段のぼくなら即退店するところだ。だが、この時は溜まりに溜まっていたぼくのコンディションが裏目に出た。「近くに別の店ない?」の一言が言えなかったのだ。
フリーザ「どっちにするの?」
JOJO「うーん…。君にするよ」
若干可愛い方のドドリアさんを選んでしまったのだ。お察しのことと思うが、ドドリアさんの肌の色はピンクではない。ここはアフリカ系移民の街。つまり黒だ。
ぼくは、以前に読んだとあるブログに感銘を受け、風俗ではどんな女性が出てきてもとりあえず褒めちぎることにしている。
女性に気持ち良くなってもらい、120%のサービスを引き出すためだ。
JOJO「ボ、ボ、ボ、ボニータ!」(ポルトガル語で「び、び、び、美人だね」)
かろうじて絞り出した。こんなに心のこもってない言葉を発したのは久しぶりだ。
ドドリアさんはというと、少し嬉しそうな表情をしていた。無理して言った甲斐があったようだ。