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年上の女性と年下の男子の恋愛事件というのは、昔からあるパターンのひとつである。
大正9年(1920)10月9日の「東京朝日新聞」には、そうした事件のひとつが紹介されている。
滋賀県大津の旅館に、33歳の女性教師が嬰児を置き去りにして逃げていた事件が発覚。その後の調べで、女性教師が13歳年下の、20歳の商船学校生徒と交際していたことが判明した。
男子生徒は静岡県の資産家の出身で、中学卒業後にいったん就職し、その頃に女性教師と知り合ったらしい。女性教師は女子師範学校に勤めていたので、いわゆる教え子と生徒という関係ではなく、何らかの形で接触したものと思われる。
ほどなくふたりは懇意になり、男性は「音楽を教えてもらう」という口実で、しばしば女性教師の下宿先を訪れるようになった。旧制中学卒業後であるから、18歳くらいであろう。
その後、男性は受験して商船学校に合格する。その一方で、女性教師は妊娠し、その処置に困って産み落とした嬰児を旅館に捨てたという次第らしい。
「東京朝日新聞」大正9年10月9日