■干支認証システム
風俗を含め夜関係のお仕事でよくある謎の年齢認証に、干支の確認というものがあります。入店のための書類には、住所、氏名、年齢、生年月日、干支を書く欄があるのが普通です。恐らく「干支を間違えるヤツは年齢詐称の疑いがある」ということなのでしょうが、これも個人的には意味のない習慣だなあと思っています。誤魔化したい人は覚えれば済むだけの話ですもんね。それでも、いつどこで面接を受けても聞かれるというのは惰性なのか、私の思いもよらないような本当の意図が隠されているのか…どうなんでしょう。
■何人引ける?
あるデリヘルに面接に行った時のこと。実は、初めからそのお店にはあまりいい印象がなかったのですが、その時は近くで別の感じのいいお店の面接を受けていたので、普段受けないタイプのお店への単純な興味も手伝って、時間を合わせて受けに行ったんです。
椅子に座ると真っ先に、「今、何本指名持ってる?」と聞かれました。“いきなりだな、オイ”と思いつつ率直にお答えすると、「ああそう。そのうち何人引ける?」と言われたのです。
この“引く”というのは、業界用語ですね。この言葉には数種類の意味合いと使うシチュエーションがありますが、この場合では要するに「前の店の客を何人ウチに連れて来られるか?」と聞いているのです。
業界歴がある子を採用する時、お店側はその女の子に付いて来る前のお店のお客様を視野に入れないわけではありません。とはいえ、あからさまに狙ってくるお店も“はしたない”というか、席についてまず聞くのがそこかよというツッコミを胸に秘めつつ早々に終わらせて帰ろうと話をたたみ始めると、「で、いつから来れんの? 追ってご連絡とか言われても困るんだよね、こっちにも都合があるんだからさあ…」ときました。うーん、なんだろう、このゴロツキ感…その場で丁重にお断りして帰ってきました。
女の子にも真面目さと礼儀正しさが求められているように、女の子もお店に誠実さを求めているのです。危ない匂いがプンプンするお店なんて頻繁に出会えるものじゃありませんもの。後から聞こえてきた噂だと、散々なことが言われていたので、結果的には入店しないでよかったということですね。