【居酒屋で始まったお触り】
乾杯して飲み始めたはいいものの、これまでまったく経験がなかったぼくは、何を話していいのかまったく分からなかった。
彼女のSさんはすごく大人しくて、嫌がってるんじゃないかと勘ぐってしまう。
そもそも、ぼくは4人を超えるグループになると極端に口数が少なくなる。誰かとふたりでいればもちろんしゃべるが、大人数だとぼくがしゃべらなくても会話は進んでくし、別に話さなくてもいいかと思ってしまうのだ。
しかも、これから彼女を寝取るカップルの前でどういう話をしたらいいかなんて、見当もつかない。
こういう世界なので、プライベートを詮索するような話も良くないだろうし…。
ぼく以外の男性陣はというと、慣れた様子でSさんにもいろいろ話をふったり、すぐに和んで楽しんでいる様子だった。
少しお酒が入ってきたあたりで、Hさんが切り出した。
「おいJOJO! Sちゃんのケツ触りーや!」
ここからセクハラ攻撃が始まった。若造で、しかも大人しくしているぼくに次々に指示が飛んでくる。
そ、そんな…こんな公衆の面前で触れないよ…。
などと思うぼくではない。
ラッキー! とばかりに指示通りにSさんの身体に手を伸ばす。
大人しくしてて得したな!
最初は遠慮がちに触ってみる。
さわさわ…。
恥ずかしそうな顔をするSさん…。
なにこれ、ちょー楽しいんだけど!
緊張を紛らわすために酒をガンガン飲んでいたため、この辺りから酔っ払ってネジが緩んできた。
散々セクハラした後、お会計してHさんが用意したビジネスホテルに皆で移動した。