話を戻しましょう。風俗嬢の収入は、はっきり言ってしまえば
「人による」
この一言に尽きます。超高級店でも出勤日数の少ない子、お客様がつかない子もいれば、安ヘルスでもお電話ジャンジャン鳴らして百万単位で稼いでいる子もいます。そもそも同じお店の中でも、バックの割合が女の子によって違うということはよくあるので、同じ店に勤める子同士でもお給料には差が出てきます。
その上で、風俗店コンパニオンの収入分布の中央値は、概ね月収30万から50万の帯だと言われています。OLさんのように週に5日出勤しなくてもいい代わりに、案外みなさんが想像するほどはもらっていないのではないでしょうか。
バック単位で言えば、一般的には50%前後、お店と女の子で“半分こ”するくらいが「普通」です。女の子の取り分を60%以上に設定しているお店もあるので、これを安いと見るか高いと見るかも人によります。もともとのベースが高いこともありますし、本指名成績、出勤日数の多さ、パネルやアルバムで顔出しできるかなど、お店への貢献度で加算されるシステムのところもあります。給与体系は本当にまちまちなんです。
バックとはあまり関係ないところで、ひとつ風俗嬢のお財布事情についてこぼれ話をしましょう。
ソープには多くないのですが、ヘルス勤めの女の子にはネイルをしている子もよく見かけますよね。あのネイル、特にスカルプと呼ばれるつけ爪の長いものを付けていると、お財布の中の小銭がうまくつまめません。以前勤めていたヘルスのお店の同僚の女の子もそうでした。
モデル志望の彼女は、髪を明るく染めて、ファッションもギャル系ブランドでばっちりキメていて、手元を見るといつでも指先より2cm以上も長いようなスカルプを付けていました。当然小銭は使えないので、コンビニに行ってもお札、タクシーに乗ってもお札、小銭は全部小銭入れに入れて、ある程度重たくなったら待機室のテーブルにひっくり返すんです。そうして500円玉と100円玉だけざっと分けると「これ、お札に両替して。あとのは要らないからあげる」と全部男性スタッフに押し付けてしまうのでした。
実はこれは、私が初めて勤めたお店、しかも入店早々のお話で、当時は「これが風俗嬢という生き物か!」と衝撃的だった覚えがあります。今から思えば「そういう子もいる」だけなので、たまたま見かけた「そういう子」をサンプルに採って、ナイトワーカー女子を一括りにしちゃいけないな、とそう経たないうちに思い直しました。本当にいろんな子がいるものです。
そういうわけで、風俗の女の子に収入を聞いても、
出勤日数や割合設定、人気などいろいろな要素に左右されるので、あんまり意味がないのよ!
と所感を申し上げて、今日はこの辺りにしようと思います。せっかく来たオトナの夢の国、お客様には是非夢見心地でいてもらいたいですもの。
えっ、私の収入ですか? ご想像にお任せします♪
それではまた。
(文=茅原まおみ)