来店前、外を歩いた際に大量の汗をかいているので、着ていた衣類が湿った状態なのだ。シャツはハンガーにかけてもらっていたので多少は乾いていたが、問題はパンツと靴下だ。その湿り具合は、不快なことこのうえない。まとわりつく感触は、せっかくのプレイの心地良さを台なしにするものだった。
ただ、今回にかぎっては、まったく心配はいらなかった。なぜならこのお店では、
替えのパンツ、靴下、そして白いTシャツまで販売しているのだ!
新品のサラサラなパンツや靴下は心地良く、このサービスは実に有難いものだった。
ここでフと思い出したのが、筆者が十数年前にインタビューした吉原の泡姫のあるサービスだ。彼女は、夏場に客が来ると、まず靴下を脱がせて、簡易式の洗濯機で洗うのだ。プレイ時間中に干して、帰り際に洗濯したての靴下を戻すサービスだった。
彼女はその店のナンバー1だったが、この“靴下洗濯サービス”に依るところが大きいと本人は分析していた。夏場に不快な思いをしてきた風俗ユーザーとしては、納得できる話だ。
話を『M』に戻す。美和ちゃんによれば、昼間の客がよく利用しているというこのサービス。各500円とワンコイン価格なことも有難いものだろう。筆者としても、夏のサービスとして風俗業界の定番になってほしいほど。ただし、既婚者などは注意が必要だ。家を出た時と下着が変わっていれば、風俗通い(もしくは浮気)がバレてしまう可能性がある。
(文=子門仁)