わずかな時間で視聴者にインパクトを与えるため、あらゆるアイデアが用いられるテレビCM。旬のタレントを起用したりストーリー性を持たせたりと、その内容はさまざまだ。そんなテレビCMで、このところ視聴者に好評なパターンがある。それは、「男芸人×美人女優」「女芸人×イケメン俳優」の組み合わせによる“ほっこり系”のCMだ。
代表的なところでは、三菱電機のオードリー・若林正恭(37)と女優の杏(30)などが挙げられる。日本の代表的な家電メーカーのCMにふたりが登場したのは、14年6月のこと。それまで杏は同社のイメージキャラを務めていたが、彼女の夫役に起用されたのが若林だった。以降、数シリーズに渡って最新家電に囲まれながら仲良く暮らす夫婦を演じている。
「ここ数年、ダントツの人気を誇っているCMといえば、ソフトバンクの白戸家シリーズとauの三太郎シリーズです。いずれも人気タレントを起用し、コミカルな内容で人気を博している。シリーズ化されることによってメーカーのイメージも浸透しますし、最新作が出るたびに話題を呼ぶことができますから、最近はふたつを見習うように各社ともシリーズ化を狙えそうなCMをバンバン打ち出しています」(芸能ライター)
CM総合研究所が発表する「CM好感度ランキング」でも、トップ争いを繰り広げているソフトバンクとau。長年にわたって続くふたつのCMは、それだけ視聴者に根付いているのだろう。若林と杏のシリーズも2年以上続くが、ソフトバンクやauのように旬のタレントが次々と出てくるような演出はほとんどなく、その点でインパクトに欠ける部分があるのかもしれない。
とはいえ、お笑い芸人と人気女優によるCMは、「幸せそうで和む」「見ているだけで癒される」などとネット上の視聴者から好評だ。刺激的な要素は少ないものの、ほんわか系として受け入れられている。そんな優しい雰囲気でこのところ注目を浴びているのが、渡辺直美(28)と西島秀俊(45)が共演するアフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)のCMだ。
6月にスタートした新キャンペーンのイメージモデルを務める渡辺と西島。今月11日に新CMシリーズがスタートし、夫婦役を演じるふたりがさっそく話題になっている。そのCMの第一弾は、渡辺が町内スピーカーから流れるアナウンスで保険サービスを知るというもの。そして19日から始まった第二弾は、渡辺が入院中の西島を訪れるという内容だ。