たとえば、先日、筆者が訪れた五反田の『M』は海をテーマにしていて、内装は船内をイメージしたデザインで、コンパニオンの衣装は水兵コスチュームだった。サービス自体はごくごく普通のピンサロだが、水兵コスプレの女性にしゃぶってもらうという行為には興奮を覚えた。
そのほかにも、和風の店内で着物を着たコンパニオンがサービスをする花魁ピンサロや、動物の着ぐるみを着たアニマルピンサロなどが都内にはある。
また、関西には電車内を模した部屋で女のコを触ってから選ぶことができる痴漢ピンサロと、まるでイメージクラブのようなものまであるのだ。
実は、コンセプトを明確にしたピンサロが増えている背景には、店舗型のイメージクラブが減少したことが関係しているのではないかといった声がある。
店舗型風俗店が減少する一方なのは、簡単に言ってしまえば条例によって許可が下りないからだ。勝手に営業すると、当然のことながら違法となってしまう。
ではなぜ、コンセプトピンクサロンのような新規オープンが可能なのかといえば、店によってという前置きはいるが、基本的には性風俗店ではなく飲食店扱いだからだ。
ピンサロの多くは、法律的に風俗営業第2号の許可をとって営業している。この法律は、ホステスがいて酒を提供するクラブやキャバレーなどに適用されるもので、ほかの性風俗店と異なっていて、性風俗関連特殊営業に位置づけられていない。
つまり、建前上は飲食店扱いの店舗がほとんどで、個室やシャワーを設置することができない。そのため、ピンサロはボックスシートでのサービスであり、おしぼりでイチモツをキレイにするのだ。
ということで、飲食店であることから改装の許可が下り、コンセプトに沿った、かつてのイメージクラブのような内装のピンサロが誕生することにつながる。この流れは、店舗型イメクラの減少で、自分好みのシチュエーションに飢えている男たちにとってはオアシスなのかもしれない。
(文=子門仁)