基本コースは60分で、レンタルルーム代を含めると1万円強だった。若いコが相手のオナクラとは違い、まずは世間話となった。その間にも股間をイジられ、ソープランドでベテラン泡姫にあたった気分だった。
次第に顔を近付けてきた彼女は、耳に息を吹きかけたり、卑猥な言葉をつぶやいたりと、なんとなくM性感っぽい流れからプレイが始まった。そして、着衣のまま乳首を指で責められ、熟練したテクニックでローション手コキをされ、瞬く間にイッてしまった。時間内発射無制限とはいえ、自分でも早過ぎると思った。だがここで、アノ話題を持ち出すチャンスだとひらめいた。
以前から『早漏改善コース』が気になっていたと切り出すと、「料金的には同じだし、まだ時間もたくさんあるから、やってみますか?」と言ってくれた。まさに渡りに船だ。
まず彼女は注意事項として、「治すのではなく、あくまでも“改善”であることを理解してください」「1回で改善はしません。1カ月から3カ月ほどかかると考えてください」と教えてくれた。
また、早漏の原因には「刺激」と「興奮」が関係しているとのこと。刺激に強くなり興奮状態を維持することができれば、快感のままに射精してしまうことを防げるという。
「効果的だと言われているのが、腹式呼吸、爪揉みマッサージ、イメージトレーニングを取り入れたオナニーをマスターすること。これで自分の射精をコントロールできるようになるんです」
勃起状態をキープしつつ、射精のタイミングを徐々に遅らせることが早漏改善につながるようだ。とはいえ、オナニーでトレーニングを積むのには根気がいる。そのため、この店では早漏に悩む人をお手伝いしているのだという。
実践は、イチモツが硬くなったところで手の動きを遅くし、ジックリとジラすような感じだった。イキそうになっては止められ、その繰り返しによって射精のタイミングをコントロールするといった具合だ。ガマン汁はダラダラ出ているが、射精自体は“もう少し先のこと”といったところだろうか。
その後、時間が迫ったこともあって激しい手コキで呆気なく射精してしまったが、しばらくの間、股間にジンジンした感触が残っていた。かなり大量の精液を出した気分だった。
セラピストさん曰く、精神的な部分が大きく影響する早漏は、誰にでも起こり得る現象だという。今のところ筆者は早漏に関して不安は抱いていないが、少しでも気になり始めたら、ふたたびこの店を訪れようと思うのだった。
(文=子門仁)