また、海外人気の高さが喧伝されたのはBABYMETALに限らず、きゃりーぱみゅぱみゅや由紀さおりが海外チャートで1位になったと騒がれたこともあった。倖田來未がビルボードの総合シングルチャート最高19位にランクインしたり、元KAT-TUNの赤西仁が米iTunesの総合チャートで15位に入って「全米デビュー成功」と華々しく報じられたこともある。
そのいずれもが海外進出に成功したとは言い難く、大げさな煽りと実人気に乖離があるように感じられる。
「きゃりーや由紀がランクインしたのはジャンル別のマイナーチャート。CDなら数百枚の売上でトップに入れますから、それだけでは現地で大人気といえません。レコード会社の戦略で『海外チャートで1位!』と華々しく発表されるため、国内で勘違いされてしまう。また、倖田のシングルは現地の人気DJがミックスを手掛けたもので、赤西の作品は人気歌手のジェイソン・デルーロが参加。いずれも現地の大物ミュージシャンの作品として扱われてランクインしただけであり、二人はアメリカで無名のまま活動が終わってしまった」(音楽ライター)
だが、これらのケースとBABYMETALの人気には根本的な違いがあるという。
「BABYMETALは実力でビルボードの総合チャートに入ったのですから人気は本物。レコード会社の強引な仕掛けではなく、YouTubeと地道な海外活動で人気を勝ち取ってきた。また、日本人アーティストが海外進出と称してアメリカやヨーロッパでライブツアーを敢行する場合、客の大半は日本からの遠征組と海外在留の日本人。しかし、彼女たちの海外ツアーには間違いなく現地の人々が殺到している。それも今までのケースとの大きな違いです」(音楽ライター)
BABYMETALは「世界征服」を目標に掲げているが、この勢いなら実現も不可能ではないのかもしれない。
(文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)