女優の波瑠(24)がヒロインを演じたNHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』の全156回の平均視聴率が4日に発表され、関東地区で23.5%(ビデオリサーチ調べ/以下同)をマークしたことがわかった。2001年以降のトップだった『さくら』(02年)の23.3%を上回る今世紀最高の記録となり、各メディアでも大きく取り上げられたことで波瑠フィーバーが巻き起こっている。
かつての朝ドラは1980年代に放送された『おしん』の全話平均視聴率52.6%を筆頭に、どの作品でも30~40%を記録するのが珍しくなかった。しかし近年は娯楽の多様化や多チャンネル化、さらには録画視聴が増えたことなどで視聴率は軒並み低下。この傾向は年々強まり、民放ドラマでは全話平均10%を超えることすら難しくなっている。
そんな時代において今世紀最高をマークしたのは文字通りの偉業だ。
同作は銀行経営や日本初の女子大学校設立に尽力した幕末生まれの実業家・広岡浅子をモデルとした女の一代記。当初はダブルヒロインとして上品な姉を演じた宮崎あおい(30)に食われてしまうのではないかと危惧されたが、波瑠はハツラツとした演技で最後まで見事に主役を演じきった。
また、それまで無名の存在だったディーン・フジオカ(35)が五代友厚役で人気を博すなど話題を振りまき続けたことも高視聴率の要因に。今までどこかパッとしない印象もあった波瑠だが、同作によって世間のイメージは一変した。
だが、このブレイクは決して「舞い込んできた幸運」ではない。