その4カ月後、メキシコからやって来たアロンは、成田から歌舞伎町のホテル街へ直行することとなった。責任者になった私は、何かあった場合に部屋にスグに向かえるよう、店長と共にホテルの近くで待機することにした。
結果としては、コチラの心配は杞憂に終わった。アロンのお相手をしてくれたAちゃんも、「すごく紳士的でした! むしろ日本人のほうがマナーを守らない(笑)」と言っていたほどだ。当のアロンは、興奮冷めやらぬといった感じで、顔を赤らめてうつむくのみだった。
その5年後の2014年、ふたたび来日したアロン。今度は台東区千束、つまり吉原に連れていくことにした。
もちろん、アロンも吉原に何があるかを知っていて、「外国人の俺は入れないだろ!」と言ってきた。しかし、当時の吉原は数軒のソープランドが外国人客の受け入れを解禁していたのだ。事前にチェックしたところ、メキシコ人の受け入れも可能とのことだった。
ソープランド初体験となったアロンの感想は、「う~ん…女のコはキレイでエルドラド(黄金郷)だったけど、フィニッシュはメキシコの売春宿と同じじゃない? 俺はこの前のデリヘルが良かったよ。前の店も今日の店も、いきなりノースキンでフェラ(=即尺)があったけど、前回のほうが感激して放心状態だったね!」とのこと。少し補足すると、外国の風俗や売春宿では基本的にフェラはない。あったとしてもコンドームを装着した上でのゴムフェラなのだ。
実はここ最近、2020年に向けてなのか、外国人を受け入れる風俗店が増えている。つい先日には、外国人“専用”のデリバリーを発見した。
ホームページはすべて英語表記で、プレイに関しても丁寧に説明されていた。ちなみにBlow job(フェラ)はwith Condom、つまりゴムフェラとのことだった。興味を持ったので店に電話したが、「日本人のお客様は受け付けておりません」とピシャリ。
そんなタイミングでアロンがふたたび来日することが分かり、事情を話してこの外国人専用デリヘルへ行ってもらうことにした。彼は、私が最初に紹介したデリヘルに行きたかったようだが(笑)。アロンから出された条件は、「料金の半分を負担してくれ」とのことだったので、それを飲んだ。ちなみに、このお店は、90分コースでホテル代を入れると3万円を超える、なかなかの高級店だ。