阿部定が最初ではない…夫の局部をえぐり取って殺そうとした妻たち

 男性の性器を切断した事件というと、多くの人々が真っ先に思いつくのが「阿部定事件」であろう。「アベサダ」といえば、その手の事件や手口の代名詞として通用するくらいである。

 しかし、よく調べてみると、男性の局部を切り取るという事例は、ほかにいくつも発生している。

 阿部定の事件は彼女によるいくつもの異様な行動や発言によってその異質な特徴が形成されたのであって、実は局部切断は同事件の要素の一部でしかない。そして、阿部定がペニス切断事例の最初ではない。

 たとえば、明治7年(1874)10月、広島で農業を営む男性が内妻の不倫相手の男性に襲われ、ペニスの頭部を切り取られる事件が起きている。これが近代で記録に残っている最初の男根切除事件といわれている。

 次に明治19年(1886)の元旦、東京で35歳の人妻が夫のペニスを根本から切断し、警察の出頭するという事件が起きている。原因は夫の浮気。この事件では女性は重禁固1年6カ月という判決だったので、夫は死には至らなかったようだ。

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