――それまで恋愛に対して奥手だったとは思えないぐらい情熱的じゃないですか。
「自分でも何でいけたのか分からないんです。とにかく、恥ずかしさとかよりも溜めとくことができなかったんですよ」
――それまで自分から告白したことなんてなかったんですよね。
「後にも先にも人生で一度きりです」
――男子が少なかった上に、目立つタイプの男子だと、ほかの女子からもモテますよね。
「けっこうほかのクラスの女子からもモテてましたね。もともと喋る仲ではあったので、付き合うことになってからも普通にクラスで接していたんですけど、だんだん周りにバレてきて。そしたら同じクラスの元カノがムカつくタイプで妬まれて、いろいろ言われたんですよ。それが、さっき話した言い合いにつながるんですけど…」
――その女子が元カノだったのは知っていたんですか。
「知ってました。でも別れたと聞いて、それで告白したんです。奪ったわけじゃないのに、奪った体にされて、表面的には仲良くしてくるんですけど陰でグチグチ言ってて。それで私には『彼がほかの女の子といた』とか嘘か本当か分からないようなことを吹き込んできて。私も馬鹿だったから、それを信じて彼氏と喧嘩して」
――まんまと元カノの術中にハマッていたんですね。彼とは通学中も一緒に行動していたんですか。
「それが電車は一緒だったんですけど、『あんまり地元の奴にバレたくないから』って言われて、それがショックで喧嘩したこともあります」
――初体験の相手はその彼ですか。
「一応…」
――一応って何ですか(笑)。
「別れてからしたんですよ」
――どのぐらい付き合ったんですか。
「2年ぐらいです」
――2年も付き合ってエッチしなかったんですか!
「キスと前戯まではしました。挿れようとしたこともあったんですけど入らなくて。それで高3の夏に別れて、別れ話をした後に学校でSEXしました」
――え? え? 予想もつかない展開なので整理しましょうか(笑)。そもそも、どうして別れ話が出たんですか。
「元カノ問題もあったりしてグチャグチャして、4回ぐらい別れたりヨリを戻したりを繰り返していたんですよ。それで最終的に彼から別れようとキッパリ言われて。私は好きだったので、かなり未練があったんですけどね」
――交際中のキスや前戯というのは、どこでしてたんですか。
「田舎でほかに場所もないから、ほとんど学校でしたね」
――学校ってどこでするんですか。
「非常階段とか。朝早いと人がいないんですよ。それで手マンをされたり、フェラをしたり」
――フェラは彼に教えてもらったんですか。
「教えてもらうってのはなかったですね。ネットの動画を参考にしたことはあります。でも下手だから痛かったと思う」
――フェラで彼をイカせてたんですか。
「一回だけ…」
――その時は嬉しかったですか。
「嬉しさよりも『臭っ! 苦っ‼』みたいな(笑)。でも、その場に吐き出す訳にもいかないから飲んじゃいました」
――初めての口内発射でごっくんしちゃったんですか。それで初体験はどんな流れだったんですか。
「別れ話は切り出したけど、彼はヤリたかったんでしょうね。学校の個室トイレに行って、便座に座って対面座位で挿れて。それからバックでして、お尻にかけられました。もちろん気持ち良いとかはないし、痛かっただけですね」
――初体験を終えた後の気持ちは?
「複雑な気分でしたね。正直、またヨリを戻せるかなって期待感も正直あったし。でも、そんなことはなくて、すぐ彼には女ができたし。次第に学校で会ってもギクシャクして卒業まで苦痛でしたね」
――同じクラスだから逃げ場もないですしね。高校卒業後の進路はどうだったんですか。
「専門学校や大学に行ってまで勉強したくなかったので、裁縫などをする会社に就職したんです。でも職場がおばさんとおばあちゃんしかいなくて、私の次に若い人が37歳だったんですよ。もちろん話も合わないし、我慢できなくて一カ月で辞めました。」
――それでグラビアに?
「はい、ちょうど知人からそんな話をいただきまして自分を変えるいいきっかけになるかなって自分から話を聞きにいったらとんとん拍子に話がまとまって」
――一度決断すると行動力がありますよね。それまで全く縁のない世界だったのに、よくグラビアの世界に飛び込みましたね。水着になるのは抵抗なかったんですか。
「最初は緊張でガチガチでしたけど、一度脱いじゃうと平気でしたね」
――グラビア活動は理解できるんですけど、プライベートでセックス経験が一度しかないのに、よくAVに出る決心がつきましたね。
「そこも不思議と抵抗がなかったんですよね」
――AV女優になることは誰かに言ったんですか。
「今もそうなんですけど、私は実家の栃木から通いなので隠し通すのも難しいし、グラビアを始める時から親には言ってます。AVをやる時も、事務所の方が栃木まで来て親に話してくれました」
――親は理解してくれたんですか。
「理解はしてくれなかったけど、やることに関しては『あんたが決めたことだから何言ってもやるんでしょう』って感じで納得してくれました」
――ほぼ処女に近い状態でAVに出ることになって、AVデビュー作『辻本杏 AVデビュー』の現場はいかがでしたか。
「撮影初日はインタビューを撮っている最中に泣きました。緊張しちゃって。作品が世に出たら皆に見られる訳じゃないですか。それでインタビューを受けているうちに思いがこみ上げてきて涙が出たんですよね」
――かといってガウンのまま外に出る訳にもいかないですしね。
「スタジオを飛び出しても、東京の地理が分からないから帰れないですしね(笑)」
――男優さんの印象はいかがでしたか。
「大きくてムキムキで怖かった。そんな人を見たことがなかったから、こういう人間もいるんだなと思って(笑)。接してみると優しかったですけどね」
――セックス自体はいかがでしたか。
「それまで一回しかしたことがない上に、男優さんのが太くて痛かったです。血は出なかったんですけど、“早く抜いて”状態。やるのが精いっぱいで、ほとんど覚えていません」
――撮影が終わった後、AVの世界でやっていけそうだなって手ごたえはありましたか。
「不安もあったんですけど、撮影自体は楽しかったので、やれるかなと思いましたね。ただカメラに慣れるまでは半年ぐらいかかりました」
――それからコンスタントに主演作をリリースして、かなりハードな内容にも挑戦してきましたが、最近はドラマ物も増えましたよね。最新作の『万引きの代償に性裁を下される女子校生』もドラマ物です。
「今でも演技するのは恥ずかしさもあって苦手ですね。セリフもカタコトになっちゃって、まだ慣れないです。今回の作品で言うと、万引きのシーンは特に緊張しました。演技とはいえ悪いことをしているし、舞台のコンビニもリアルだったから、本当に万引きしてるような気持ちになったんです」
――親ほど年の離れた男優さんがお相手でしたが、年上はいかがですか。
「年上のおじさんっぽい男優さんのほうが安心して身を委ねられますね。30歳ぐらいのイケメン男優さんだと緊張するんですよ。嫌とかじゃなく恥ずかしいんですよね(笑)」
――交際経験はありませんが、実際に年上好きなんですか。
「そうですね。同世代は子供っぽいというか、元カレのトラウマみたいなのもあるし」
――今年1月リリースの『辻本杏のファン感謝コスプレぶっかけSEXオフ会』も恥ずかしそうにしてましたよね。
「コスプレは好きなので、コスプレできたことは嬉しかったんですけど、男性の人数が多くて恥ずかしかったです」
――コスチュームを変える度に新人女優のように恥じらっていましたからね。
「何度も会っている男優さんなら平気なんですけど、初めましての方ばかりだったので、生々しい雰囲気で。ぶっかけも目に入らないようにするのが大変でした(笑)」
――今後どういうAVに出てみたいですか。
「過去に『通学途中に痴漢の手によって絶頂を教え込まれた女子高生』という作品に出たこともあるんですけど、痴漢モノは興奮するので、また出てみたいですね」
――痴漢されたい願望みたいなのがあったんですか。
「そうですね。あくまで願望なので、実際に痴漢されるのは怖いですけど」
――ちなみにAVは観るんですか。
「自分のは観ないですけど、ほかの女優さんの作品はネットで観ます。特に素人の痴漢モノはリアルで好きですね。単体女優さんの痴漢モノは、自分が出ていることもあって感情移入できないですけど(笑)」
――素人痴漢モノが好きって、そこそこのマニアじゃないですか(笑)。それを観ながらオナニーするんですか。
「オナニーはしないです。ひたすら観るだけ(笑)。女の子がタイプだと『気持ち良さそうだな』とか思いながら、じーっと観ちゃうんですよね」