満島は小学生のときに7人組ユニット・Folder(後にFolder5へ改名)の一員としてデビューし、グループ解散後に出演した園子温監督の映画『愛のむきだし』で大ブレイク。狂気を孕んだ迫真の演技と自慰シーンやレズキスも辞さない女優魂を見せて高評価を受けた。丁寧な台詞と切ないストーリーに定評のある脚本家・坂元裕二が手掛けたドラマ『Woman』(日本テレビ系)や『それでも、生きていく』(フジテレビ系)でも確かな演技力を示し、すでに女優としての地位を確立している。
『1925年の明智小五郎』では、とくに『屋根裏の散歩者』で犯人役を務めた巨漢柔道家・篠原信一(43)とのじゃれ合うような推理シーンが官能的だった。ダンスで鍛えたという身体能力もあってか、篠原の肩の上に絶妙なバランスで座り、畳の上で飛び跳ねるように笑い転げるなど、身軽で無邪気な明智小五郎を怪演。猟奇殺人の真相を楽しげに語る明智小五郎の顔が満島だという違和感にはゾクゾクするエロスもあり、最後の最後に見せた冷たい笑顔には背筋が凍るような美しさがあった。
「演技力が未知数である篠原さんには、ほとんどセリフがありませんでしたが、小柄な満島さんとのアンバランスさは絶妙で、カラダのサイズだけでキャスティングされたと思えるほどインパクトがありました。設定的にはふたりとも男性キャラだったワケですが、圧倒的な体格差がエロティックな雰囲気を出していたように思います」(演劇関係者)
近年は女装する男性が「女装子」としてメディアに取り上げられることも多く、その姿が「かわいい」「エロい」と話題になることもある。そういった流れの中で、“男装女子”をもっと見たいという需要も出てくるだろう。満島ひかりに続いて、さまざまなタイプの女優による男装姿も期待したいところだ。
(文=ナシゴ恋)