部屋は完全に暗闇と化した。明るさは、入口のドアの下にわずかに開いている隙間から差し込む光と、ふたりの振動でカーテンが揺れた時に瞬間的に差し込む窓の外の灯りだけだった。
その中でスリアを抱きしめる。跳ね上がるような生命力あふれるカラダを、視覚ではなく触感で味わう。躍動感を体中に感じながらの、全身リップや手コキ、玉舐めをしながらの乳首責め…。
悶え続ける私にスリアは、「だって、日本人男性、こういうの好きでしょ?」と暗闇の中で囁く。スリアの積極的な攻撃は、暗い部屋に淫らな音となって響いた。
そっと彼女の茂みのないアソコに触れると、すでに濡れていた。ほんの少しずつ指を入れていく。ズプズプ、ズプズプ…と音を出して、カノジョは受け入れた。
人差し指と中指でカノジョを刺激すると、次第に息が乱れてきた。淫らな攻防が続く中、枕もとをガサゴソとコンドームを探り始めるスリア。暗闇の中で装着するのは難儀だったが、やっとの思いで準備が整い、彼女が下になって、ふたりはひとつになった。
この段に至ってもスリアは照れているようだった。コチラが激しく突いても、声を押し殺して耐えていた。時折、嗚咽のような声も聞こえたが、彼女が乱れ悶える前に私が発射してしまった…。
コトが終わってシャワールームへ消えたスリアは、それから15分ほど出てこなかった。シャワーから出てきた彼女の目は潤んでいたが、「なんでもないです…」と気丈に振る舞った。それを見た瞬間、先ほどの嗚咽が頭の中でよみがえった。涙の理由が、想い人に対する罪悪感からくるものなのか、日本人に対する懐かしさからなのかは分からない。しかし、そのどちらであっても、ワタシの中には、なんとも言えないモヤモヤが残った…。
あれから6年が過ぎたが、彼女は幸せになれたのだろうか。雑貨店などで束子を見るたびに、スリアの潤んだ瞳を思い出すのであった。
(文=美田三太)
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