老人に犯される血のつながりのない女性たち…ヘンリー塚本が説く『近親相姦』の真髄

 
72歳の“昭和系”AV監督が送る、トラディッショナルAV論!

 あけましておめでとうございます、72歳の現役AV監督・ヘンリー塚本です。今月も僕が手がけるFAプロの作品についてお話しさせていただきます。

 僕はこれまで、「近親相姦」をテーマにしたポルノ作品を数え切れないほど制作してきました。その理由は、そこに人間の本質があるからです。

 ひとつ例を挙げましょう。再婚家庭での乱れた性の世界です。妻が早死にしたため新しい妻を迎えた。その女には17~18歳の若い娘の連れ子がおり、とっても魅力的です。自分が結婚したおっかさんよりも、よっぽど女っぽく色っぽい。あってはならない関係だが、いろんな事情があってその娘と関係を持ってしまい、ただれた性の世界にのめり込んでいく──。

 身震いがするほど興奮する性のドラマではありませんか? そしてこれは、現実にもあることです。もちろん法的には禁止されていますが、特に昭和初期の頃、封建制度が色濃く残っていると同時に、まだ人がいまよりもずっと簡単に死んでしまっていた頃までは、決して珍しくはないことでした。

 僕が子どもの頃の話です。近所の金持ちの家の裏手に座敷牢があり、よく女の奇声が聞こえてきました。家族には「行ってはいけない」と言われていましたが、子どもの好奇心で友だちと見に行くと、檻の中では裸の女が叫んでいました。20代半ばの薄気味悪い女でした。子どもの頃はわからなかったけれど、成長するにつれて理解していくものです。彼女は近親相姦によって生まれた子どもで、殺すわけにもいかないが、かといって世間様に堂々とさらすわけにもいかないがゆえに、閉じ込められているのだと。

 そういった話はあちこちにあると、親同士の会話で知ってもいました。僕は昭和18年生まれですが、それを知ったのが小学校高学年の頃。当時の日本には、そういったものがまだ色濃く残っていたんです。

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