先日、懇意にしている風俗店にお年賀を持って挨拶にうかがった。
その中の一軒に吉原のソープランドがあり、事務所でスタッフさんと雑談をしていると、10年来にわたって何度も取材をしている有希子さんが出勤してきた。
現在38歳となる有希子さんは、系列店への移籍はあったものの、人生の約半分を吉原で過ごしてきた女性だ。
新年の挨拶もそこそこに、「最近、どう?」という世間話になった。筆者が気になるのは、やはり景気だ。昔と比べても仕方のないことだが、風俗ライターとしては現状を知っておきたいという気持ちがあった。
「やっぱり、年々“正月だから”といらっしゃるお客様は少なくなってるよね。昔は私たちにお年玉をくださるお客様もいたのに(笑)」
年始のお客さんが少なくなっていることは、吉原の町を歩いてみれば納得できる。10数年前は送迎の車やタクシーが行き交っていたし、近隣のコインパーキングも満車状態だったものだ。しかし、ここ数年は交通量も少ないし、余裕で駐車もできる。そして、なによりも待合室が…。
しかし、その分、お気に入りの女のコを予約しやすい状況になった。有希子さんは、
「ベタだけど言うでしょ『ピンチはチャンス』だって(笑)。じっくりとひとりのお客様と向きあえて、私は最近の正月の吉原、好きよ」
と前向きだ。それよりも有希子さんが気になっているのは、「成人の日に新成人が来なくなった」ことだという。