SM業界に足を踏み入れて、かれこれ10数年。私、ライターの菅野久美子は、これまでいろいろなSM界に住む人に出会ってきた。
そこには、SMを通して人間の本質に迫ろうとする人から、己の欲望を満たそうとする人まで…。共通しているのは、誰もが純粋であるというところでしょうか。そんな愛すべき人々を少しでも知ってもらえれば、ライター冥利に尽きるというものです。
<おしっこプレイに魅了された美少女>
SM雑誌の編集者になった私は、普段の作業に加えて人妻系の雑誌や単発のムックの仕事などもこなすようになった。イレギュラーな仕事には思わぬ出会いもあって、人一倍飽きやすい体質の私には楽しみでもあった。
ある日、『美少女哀虐図鑑』というSMムックのグラビア撮影の仕事が入った。
タイトルの通り、Mッ気のある美少女が緊縛などによってひたすら酷い目に遭うシーンを撮るらしい。果たしてどんな美少女がやってくるのか? そもそもイジめられたい美少女ってどんなコだろう?
私は、そのムックに登場するM女さんをインタビューするため、編集長と一緒に撮影現場に向かった。
現場にいたのは、花柄のフリフリスカートと白のタイツ、レースのカーディガンを身にまとった、妖精のような眼差しが印象的な22歳のYちゃん。黒髪の下からのぞく顔立ちはロリっぽく、ムチムチとしたカラダつきが可愛らしい。それに加えて、美少女には似つかわしくない色気がムンムンと漂っていたのを覚えている。
軽く化粧直しをした後、さっそく外撮りの撮影が始まった。
笑顔のYちゃんがいろいろなポーズを決めていく。まるでアイドルのようだ。
しかし、室内の撮影になるとYちゃんの様子が一変した。緊縛師が縄を体に掛け始めるとカーディガンを自ら脱ぎ、服の上から胸を締めつけられ「あぁぁん」と大きな声をもらし始めた。目つきもトロンとしたものに変わっていく。