■8位:POP「3rd FLOOR BOYFRIEND」
プラニメからミズタマリが脱退したのには驚いたが、残されたカミヤサキが新たに4人のメンバーを迎えてPOPに改名し、結果的に私の本現場のひとつになるとは予想もしない展開だった。
プラニメ時代から歌われていた「3rd FLOOR BOYFRIEND」は、POPのファースト・アルバム「P.O.P」で初音源化された。プラニメ時代とはアレンジが変わり、異様な昂揚感をもたらすトラックになっている。SCRAMBLESの松隈ケンタがサウンド・プロデュースした「P.O.P」の中でも、松隈ケンタがJxSxK(渡辺淳之介)とともに作詞をしている珍しい楽曲だ。作曲は松隈ケンタ、編曲は佐藤カズキ。
SCRAMBLES関連作品では、BiSHのファースト・アルバム「Brand-new idol SHiT」で松隈ケンタが作曲した「ぴらぴろ」の大胆な構造にも驚かされた。
■9位:Kit Cat「ハングアラウンド」
(M)otocompoのDr.Usuiがプロデュースする3人組のファースト・ミニ・アルバム「SCRATCH YOU!」で初CD化された楽曲。初めて「ハングアラウンド」を聴いたときには、1980年代の洋楽のカヴァーかと思うほどメロディーが洗練されており、オリジナル曲なのか判断が付かなかったほどだ。(M)otocompoや妄想キャリブレーションなど、Dr.Usuiの作品群の中でも頭一つ抜けている楽曲だ。
Dr.Usuiは、エレクトリックリボンを脱退したNAOMiが改名してソロになったNAOMiRUSTYもプロデュースしている。NAOMiRUSTYのデビュー・シングル「サスティナブル しゅらしゅら」は、小林愛作詞、Dr.Usui作編曲という強力なタッグによる作品だ。
■10位:フィロソフィーのダンス「すききらいアンチノミー」
加茂啓太郎が寺嶋由芙に続いて手掛けたアイドルは4人組グループ。元ふぇのたすのヤマモトショウ、rionosなど、寺嶋由芙と作家陣もかぶっている。
その中でも、新進ミュージシャンである宮野弦士が作編曲を担当した「すききらいアンチノミー」は、ナイル・ロジャースばりのギターのカッティングやストリングの配し方がシックをも連想させるサウンドだ。メンバーがこうした楽曲を歌いこなしているのは強い。